今では当たり前になった「女性外来」。 その設立に貢献したのが、現在81歳の医師・天野惠子さんだ。 【画像】「患者さんファースト」が信条で、現在81歳の医師・天野惠子さん 内科医として58年、“究極の男社会”とも言われる医学界を生き抜き、現在も診察に精力的に取り組んでいる。 著書『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』(世界文化社)から、医療に男女の性差の視点を取り入れることの重要性と、女性外来設立のきっかけについて一部抜粋・再編集して紹介する。 アメリカから20年遅れていた性差医療アメリカに遅れること20年、性差医療の考え方が日本に上陸したのは、21世紀に入る直前です。 実は私は、アメリカで盛んに研究が進みはじめていた性差医療の存在を知り、1980年代後半から90年代にかけてのころ、この学問分野について学んでいました(ちなみに、この学びの途中で、微小血管狭心症のことも知りました)。 そしてこれ