もしあなたが軽度の活字中毒を自任しているとしたら、おススメの一冊だ。 内容はじつに他愛もない。カップ焼きそばの作り方、すなわちお湯をいれて3分待って湯切りし、ソースを混ぜて完成させるまでのことを書き起こしたものだ。 それをもし村上春樹や太宰治、ドストエフスキーやコナン・ドイルが書いたらどうなるかというパロディである。 登場するのは人物ばかりではない。『暮らしの手帖』や『週刊プレイボーイ』の記事風や、もし村上龍と坂本龍一が対談したらどうなるかという企画ものまで100本ほどの文章で構成されている。 もともとは著者の一人である菊池良氏が1年ほど前、ツイッターに「もしも村上春樹がカップ焼きそばの容器にある『作り方』を書いたら」という記事を投稿したことがきっかけだった。 それ以来、ツイッター上では定番のネタとなり、数多くのパロディが投稿されつづけている。中には新約聖書風や尾崎豊の歌詞風まで登場してお