週刊新潮で女性記者にセクハラ発言を繰り返したと報じられた財務省の福田淳一事務次官が辞任した。この問題ではセクハラを受けていた女性記者が、勤務先のテレビ朝日の上司に相談したが「報道は難しい」と伝えられ、週刊新潮に連絡したという。ジャーナリストの牧野洋氏は「マスコミの取材体制にも大きな問題がある」と指摘する――。 国家権力とマスコミは主従関係にある? 国家権力を取材するマスコミは国家権力に仕える立場にあるのだろうか? 国家権力が「主」でマスコミが「従」という主従関係が成り立つのだろうか? 答えはもちろんノーである。主従関係が成り立っていたら、マスコミは「政府広報紙」と変わらなくなってしまう。マスコミは対等の立場で国家権力と対峙し、権力のチェック役を担わなければならない。 ところが、財務省の福田淳一事務次官をめぐるセクハラ問題を見ると、そこには主従関係があるように見える。マスコミはネタをもらうた
<blockquote class="hatena-bookmark-comment"><a class="comment-info" href="https://b.hatena.ne.jp/entry/355565887/comment/xr0038" data-user-id="xr0038" data-entry-url="https://b.hatena.ne.jp/entry/s/this.kiji.is/329123813377803361" data-original-href="https://this.kiji.is/329123813377803361" data-entry-favicon="https://cdn-ak2.favicon.st-hatena.com/64?url=https%3A%2F%2Fthis.kiji.is%2F32912381337780
福島の被ばくと子宮頸がんワクチン。弊誌Wedgeが取り上げ続けてきたこの2つのテーマには似通った問題が潜んでいる。福島出身の社会学者、開沼博さんと、医師・ジャーナリストの村中璃子さんが、縦横無尽に語り尽くす。 ※本記事は4月20日発売のWedge5月号の記事の一部です。 編集部 被ばくとワクチンをめぐってどのようなことが起きているのか、実態を教えてください。 開沼博(以下、開沼) 福島の惨事に便乗する言説によって、二次被害と呼べる問題が明確に出てきています。 事故直後の「急性期」には、避難する過程で多くの人が命を落としました。放射線の危険性を過剰に煽る報道によって、農業や漁業に従事する人の中に自殺したり、将来への悲観から廃業したりする人が出ました。 しかし、状況がある程度落ち着いた「慢性期」の現在もそういった惨事便乗型言説による実害は発生し続けている。避難をし続けて、心身に不調を来たして亡
科学的事実を表現する際、その伝え方や言い回しによって、人の受け取り方は変わってきます。例えば「手術の際、わずかであるが、合併症を起こす可能性がある」と説明されるよりも「手術が成功する確率は、ほぼ100%」と説明された方が、内容としては同じことを言っているにも関わらず安心感が得られやすいのではないでしょうか。今回は、人であれば誰しもが持つ、情報の受け取り方に際しての心理効果について解説します。 ▼人は情報を受け取る際、さまざまな心理効果の影響を受ける ▼その結果、情報を歪んだかたちで認知、処理してしまうことがある ▼人はもともと騙されやすいということを自覚することが、情報を鵜呑みにしないために重要 いきなりですが、下の図を見てください。 左側の瓶には、「タウリン1g配合」、右側の瓶には、「タウリン1000mg配合」と書かれています。 1g=1000mgなので、どちらも、同じ量のタウリンが配合
この報告をどう読むことができるのか。福島を拠点に、子どもの被ばくなども調査してきた、早野龍五・東大名誉教授に聞いた。 まず、この報告は早野さんが積み上げてきたデータ、実測に基づく見解と一致しているのかどうか。 「しっかりした報告になっていると評価できます」《僕が直接関わってきたのは、放射性セシウム由来の内部被ばくと外部被ばくの調査です。 前者はほとんど無視できる値でしかなく、後者は日本や世界各地の自然放射線量と比較して大差ないことをいくつかの論文で明らかにしてきました。 学術会議の報告ではこのようなことが述べられています。 ①食品中の放射性セシウムから人が受ける放射線量は、現行基準値の設定根拠である1mSvの1%以下であり、極めて低いことが明らかとなっている。 ②空間線量率から推計された追加線量よりも 個人線量計での計測値が少ない。 またUNSCEAR(国連科学委員会)の「放射性セシウムに
「原発全体のリスクは全て下がっているのにタンクのリスクだけが上がっている」「早く何とかしないと全体の作業に支障が出てくる」 7月15日のトリチウム処分政府小委員会による視察で、山本一良委員長(名古屋学芸大学副学長)が増え続けるタンクの現状に対し、懸念を示しました。 http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2017/07/post_15253.html 東京電力は、福島第一原発から発生する汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理してセシウムなど62種類の放射性物質の除去を続けています。ただし、これは水素の同位体であるトリチウム(三重水素)だけは除去することができません。 そのため、現状はこのトリチウム以外を除去した処理水を福島第一原発周辺にタンクを次々と増設することで溜め続けており、その最終的な処分方法が早急に求められています。 最終的な処分と言っ
豊洲市場に移転するかどうか。長引く議論がいよいよ大詰めを迎えている。日経新聞などによると、小池百合子都知事は週明けにも豊洲移転を表明するという。 築地から豊洲市場への移転は、2016年11月の予定から大幅に延期されていた。この間、大きな注目を集めていたのが豊洲市場の安全性問題だった。はたして、ここまで議論が必要だったのか? 安全性を疑問視した報道豊洲の土壌や地下水を検査したところ「基準値超え」の化学物質が検出され、「安全性への疑問が深まった」などとする報道も続いた。 都はかねてから豊洲開場の条件としての「無害化」を条件にしていたが、達成できなかったとして、小池知事は業者に「お詫び」をした。 化学物質のリスク評価の第一人者、中西準子・横浜国立大名誉教授(79歳)はこう語る。 「豊洲新市場は安全性に問題がないのに、小池知事の姿勢が議論を混乱させた」 中西さんは、公害の時代から環境問題に関わり「
春の番組改編で、NHKBS1の国際ニュース番組もいろいろ変わった。NHKBS1の各種の国際ニュース番組は、国際情勢を見る上で必須のツール。 時間はスポーツなどで変わることがあるけれど(←やめてほしいです。ニュース・チャンネルとスポーツ・チャンネルは分けてください、NHKさん。特に、オリンピックやワールドカップがある期間には国際ニュース番組がぐっと減るというのは困ります。まさにその陰で毎回世界で大事件が起こっているじゃないですか)、私が特に重視しているのは以下の番組。 「ワールドニュース」(朝6:00~6:50) 「キャッチ!世界の視点」(朝7:00~7:50) 「ワールドニュース・アジア」(午後2:30~2:50) これだけのために受信料を払っても安くない、というか個人的にはこれだけのために払っているとすら思っている。それに加えれば深夜12時からのBS世界のドキュメンタリー。 これらの番組
2017.05.10 Wed 福島における甲状腺がんをめぐる議論を考える――福島の子どもをほんとうに守るために 服部美咲 / フリーライター 震災・事故後、確かな歩みを進めてきた福島の情報が、十分に伝わっていないという現状があります。「STOP!福島関連デマ・差別」がお届けするシリーズ「福島関連報道を検証する」では、その背景にある福島をめぐる報道のあり方を検証していきます。 2017年4月19日、諏訪中央病院医師の鎌田實氏の記事「福島県で急速に増え始めた小児甲状腺がん」が注目を集めた。これまでも、一部新聞や週刊誌、テレビ番組などで、「東電福島第一原発事故の影響で、福島では小児甲状腺がんが増えている」という趣旨が繰り返し報じられてきた。 また、「原発事故の影響で甲状腺がんを発症した子どものため」と標榜する基金も設立され、著名な学者やタレントなどが名を連ねている。こうした煽情的な報道やキャンペ
2016年11月22日東京新聞朝刊に【原発避難いじめ「氷山の一角」 大人の偏見、子に影響】という見出しで記事が掲載されました。なぜ、この記事に対して違和感を示すツイートが流れてくるのかまとめました。 違和感はこの記事自体に対してではなくこれまでの報道内容とこの記事のギャップに対するもののようです。
数週間前から、あの週刊誌「週刊現代」がいろいろやらかしている。医療現場クライシスとして、先週には週刊プレイボーイがその顛末を報道している。 現実問題として、週刊プレイボーイが報道しているような患者が増え、医療現場ではさらに迷惑を被っている。管理人の家にはもう一人麻酔科医がいる。この麻酔科医も、週刊現代の記事をみてダダをこねる患者の処理に時間をとられ困っているというのである。麻酔科医には術前診察という、手術前に詳細に患者の状態をチェックして診察する機会が必ずある。ここで、あの週刊誌にあった薬をのんでいるけどやめた方がいいかと相談されたり、全身麻酔で手術をしたくないとダダをこねて説得に時間が掛かったことなどの苦情を訴える。その記事に、私が荷担したことになってしまっているため、家でひどく叱られた。麻酔科医は、ただでさえ少ないのに、すんなりと終わるはずの術前診察に時間をとられ、麻酔科医の労務を増加
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 毎日新聞社が3月7日朝刊に出した「福島・甲状腺検査 子のがん「多発」見解二分 過剰診断説VS被ばく影響説」を読んで、「両論併記の罪」という、昔考えた言葉を思い出しました。 私は1999年に同社を退職して、2000年からフリーランスの科学ライター、ジャーナリストとして活動を始めました。最初は、科学雑誌への企画売り込みから。今はなき「科学朝日」や「日経eco21」という日経ホーム出版社の雑誌などに持ち込みました。たとえば諫早湾干拓事業の是非、当時医療現場で浸透し始めていたEBM(evidence-based medicine、根拠
「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号に掲載された「美味しんぼ」の放射線による身体的影響に関する内容について、日本放射線影響学会有志の見解を示します。漫画雑誌に掲載された内容に関して、学術団体がコメントすることの是非に関する議論もしましたが、当該週刊誌の発行部数が直近の2014年1~3月において188,385部(一般社団法人 日本雑誌協会)と多いことと表題が「福島の真実(・・)編」であることから社会的影響が大きいと考え、表明するものです。 「美味しんぼ」では、低線量放射線の身体的影響に関して、以下のように描かれています。まず、登場人物が東京電力福島第一原子力発電所を視察した後に、鼻からの出血や疲労感を訴える場面が描かれています。また、大阪府・大阪市が実施した岩手県の震災がれき焼却によって身体的不調を訴える人が大勢いたことを専門家が説明する場面も描かれています。
「シャルリー・エブド」誌襲撃事件の後、フランスと日本のメディアによる報道を追っていて、この事件への反応や解釈が両国でまったく異なっていることに気がついた。 大まかに言えば、フランスの場合は、「シャルリー・エブド」の編集方針に賛成でない人、あるいは同誌を読んだことがない人でもほぼ全員が、同誌への抗議の手段として殺人という最大の暴力が行使されたことに激しく怒りを覚えたのに対し、日本の場合には、「テロは良くないが」というただし書き付きで、「でも表現の自由と騒ぐのは西欧中心主義ではないか。表現の自由にも、他者の尊厳という制限が設けられるべきでは」と表明することが少なからず存在した。 ここではその点については触れない。それとは別に、取り急ぎ指摘するべき問題が一つあるからだ。 1月13日付読売新聞の夕刊、国際欄に出ていた記事のことだ。今日14日水曜日、襲撃事件後初めて発行される「シャルリー・エブド」最
このブログでは新聞、テレビなどのメディアに取り上げられた科学論文のソースを探し、一次資料(原著)リンクを提示しています。なぜそんなことしているかは以下のリンクをご覧ください。 2014年はSTAP細胞捏造事件があったため、報道各社の科学ニュースに対する力量の違いが露わになりました。科学部はダメ社員の島流し先なのか?とさえ思わせる記事も多く見られました。 今回のエントリは注目を集めたいがために「ダメ記事」と下品なタイトルをつけましたが、2014年に報道された科学論文に関する記事のうち質が劣ると私が考えるものを記録しておきたいと思います。見出しが不適切なものと結論を曲解しているものが大半です。記録する動機としては科学ニュースの現状に対する腹立たしさがあります。まず原著をあたり、そして理解してから報道してほしいということです。大学側のプレスリリースを鵜呑みにするだけではいかんのです。さらに科学ニ
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