赤崎勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大学教授が2014年のノーベル物理学賞を受賞した。ここでは、中村氏が窒化ガリウム(GaN)系青色LEDの研究に着手し製品化にこぎ着けるまでの開発ストーリーを紹介した1995年1~3月当時の日経エレクトロニクスの記事を基に、2009年「日経テクノロジーオンライン」に掲載した記事を再掲載する。 最近、長年の懸案となっていた青色発光ダイオード(LED)が実用になったことは一材料研究者として喜びにたえない。『日経エレクトロニクス』においても多くのページをさいて日亜化学工業の業績を解説している。本年2月~3月は、中心人物である中村修二氏にスポットを当てた記事も連載された。 これらの記事を拝見して、GaN LED開発の歴史に関する認識が、私が考えていたのとかなり違うように感じている。そこで、開発の歴史を振り返るとともに、一研究者と