トップページ» 刊行物 » 生存学研究センター報告書 [24] » 第Ⅱ部 思考 ーフェミニズムをめぐる論考 ■読解/倫理 8.性差別の構造について ー江原由美子の性支配論をめぐって 読解/倫理 性差別の構造について ―江原由美子の性支配論をめぐって― 堀田義太郎 1 はじめに 「性差別(sexism)」とは、もっぱら「女性差別」を典型とする、性的な少数者に対する差別であるという認識は、多くの人に共有されていると思われる。 とはいえ、たとえば「女性専用車両」や映画館やレストラン等の「女性半額キャンペーン」などについて「男性差別だ」と主張する人は依然として存在するし、また雇用の際の「女性応募者の優遇」についても同様である。「性差別とは女性差別である」という観点からすれば、「男性差別」という言葉自体がナンセンスだとして斥けられるはずである。しかし、ではそれはなぜだろうか。「性」という属性(ま
調査及び立法考査局では、新型コロナウイルス感染症の発生以来、同感染症をめぐる我が国の政策課題や諸外国の対応等について、調査研究の成果を数多く刊行してまいりました。令和2年4月から令和5年5月までに刊行した各刊行物の概要を次のリストにまとめていますので、ぜひご活用ください。 新型コロナウイルス感染症関連の調査及び立法考査局刊行物リスト(PDF: 516KB) 『調査と情報-Issue Brief-』
途上国研究の先端的内容を平易に解説し、社会科学的な面から外国理解の一助となることをめざします。 月に2回を目安に新しい記事を配信します。 第74回 チーフは救世主? コンゴ民主共和国での徴税実験と歳入への効果 / 工藤 友哉 公共財の供給など、国家がその機能を適切に果たすためには歳入を増やすことが不可欠だ。しかし、税収がGDPの10%に満たない低所得国は多い(Pomeranz and Vila-Belda, 2019)。この一因として、国家が課税できる物や取引について十分な情報をもっていないことが考えられる。では、国家よりも詳細な情報をもつ第三者に税の徴収を依頼したらどうだろうか。本論文の著者らは、コンゴ民主共和国の州政府と協力した経済実験を行い、チーフとよばれる地域の指導者(詳細は後述)に徴税業務を委託した場合の歳入への効果を分析する。 2023/10/25 第73回 家庭から子どもに伝
政治哲学において、政党は長らく注目されてこなかった。政党が民主主義論の研究対象として前景化されたのは、ここ十年ほどのことである。本稿では、近年の政治哲学における政党研究の主要な議論を再検討することで、立法過程における議会政党の存在意義を明らかにすることを試みる。その結果明らかになるのは、政党は情報提供者として立法過程に不可欠であるが、最終的な意思決定者であるべき積極的な理由を持たず、むしろ政党が最終的な意思決定者になるべきではない一応の理由が存在するということである。その上で、既存の選挙制議院 (選挙院) に加え、無作為抽出された一般市民からなる抽選制議院 (籤院) を設置する選挙院・籤院構想を提示し、それによって政党が意思決定者となることに伴う問題を回避できることを示す。
原題は「キャリアと家族:平等を目指す女性の1世紀にわたる旅」となっており、様々なデータを駆使しアメリカ女性を5つに分類しコーホート分析しています。 分類は厳密で、各世代を一般化しうる基準が示されており、例えば「マリッジバー」により既婚女性が合法的に解雇されていた、などのエビデンスが示されます。データのみならず、各世代を代表する傑出した女性の事例や、テレビドラマで描かれた時代を象徴する女性を例にあげることで、人間味のある記述になっています。 謝辞を読むと、この工夫が編集者の助言に基づくものだとわかります。著者はアメリカ経済学会長や経済史学会長を務めた大御所ですが、こうした「えらい先生」の著作でも丸投げにせず「読みやすさ」を求める編集者のプロ意識を感じる。 ピルにより、出産時期を遅らせ、またコントロールできるようになったことが、女性の仕事とキャリア形成にいかに影響を与えたか、という記述も興味深
「ピルとのつきあい方」ホームページのブログです。 「ピルとその周辺」ではタイムリーな話題や幅広い関連事項を取り上げます。 ツイッターアカウントに連動し、つぶやきの真意を文章化します。 ↑左上の検索窓でブログ内検索ができます。 1600年から100年余りの間で、人口は約3倍強に増えています。 新田開発などによる食糧増産が人口増を可能にしました。 もう一つ見逃すことのできない要因は、自作農(本百姓)の創出です。 自作農経営は後継者がいて継続できます。子どもを多めに産み育てようとしたことが、人口増加の要因になったでしょう。 この100年余りの間に画期的な医学の進歩も生殖技術の進歩もありません。3倍強の人口増は、出生数の増加によるものです。食料があれば、ヒトは100年で人口を3倍強にする事ができることを示しています。 1700年過ぎから幕末までの約150年間、一転して人口は静止化します。食糧増産が
※今回の記事のもととなっている研究はまだ進行中なのですがDPになったらここにリンクを追加します。 記事中の数値の根拠色々数値をあげたのでその根拠を補足しておきます。間違いに気づいたプロの方がいたらこそっとメールなどいただけると大変ありがたく…! 国民年金保険料と国民健康保険料を合わせて年間約30万円国民年金保険料は1年前納で194,720円。国民健康保険料は自治体によって異なるが、データに含まれる自治体の一つがウェブサイト上で提供しているシミュレーターで計算すると、39歳以下で本人年収135万円だと年間109,640円。40歳以上は介護保険料が加算されるのでもっと多くなる。 本人と配偶者の税負担を合算すれば、年収95万円と105万円では合計2万円ほど負担額に差年収105万円の場合の住民税はだいたい1万数百円(住民税シミュレーターで参加自治体のうちいくつかを試した結果) 年収105万円の場合
これは「Maidcore(メイドコア)」と呼ばれる音楽ジャンルで、近年YouTubeなどネットで徐々に注目を集めています。 これらの音楽は一体どのようなもので、どのようにして生まれたのでしょうか。 この記事では「メイドコア」について、下記の順番で説明していきます。 始まりは日本だった 1. メイドコア誕生の歴史 「メイドコア」のメイドの起源は、日本の「ふたば☆ちゃんねる」まで遡ります。 2001年に掲示板「2ちゃんねる」の閉鎖騒動が起きた時、その避難所として作られた画像掲示板が「ふたば☆ちゃんねる」です。 元々は避難所だったのが、独自の文化を形成し、発展していきます。 ここでは複数の掲示板が存在し、特に人気なのが「二次元裏@ふたば」、通称「虹裏」。 その虹裏で、2004年に「メドイさん」と書かれたメイドの絵が貼られます。 全てはここから始まった やがて彼女は「めどいさん」として、「面倒くさ
生命倫理とフェミニズムを融合するひとつの動きとして「フェミニスト生命倫理」の発展が挙げられる。本稿はそこで論じられるトピックの中でも特に、自律を抑圧に抵抗する拠点として論じる「フェミニスト的な関係的自律」に関する先行研究を概観することを主たる趣旨としている。フェミニスト的な関係的自律は、それが「関係的であること」と「フェミニスト的であること」に関して、それぞれ批判を受けてきた。そこで本稿では第一に、それらの批判を概観し、哲学的な理論上ではフェミニスト的であることを重くとらない関係的自律の議論に一定の優位性があることを確認する。第二に、フェミニスト生命倫理やフェミニスト的な関係的自律の起源として、性と生殖を巡るフェミニズムの運動に立ち返る。このことを通して、抑圧への抵抗としてフェミニスト的な関係的自律を論じ続けることには依然として意義があり、またそれは歴史的観点から要請されるものでもあるとい
どうも、読書中毒ブロガーの ひろたつです。一生寝てたいタイプです。 今回は界隈が大盛りあがりだった企画。 いらん前置き まだ続くいらん前置き SFが生み出す“熱” 集計の概要 40位 4票 39位 5票 38位 6票 37位 7票 36位 8票 35位 9票 34位 10票 33位 11票 32位 12票 31位 13票 30位 14票 29位 15票 28位 16票 27位 17票 26位 18票 25位 19票 24位 20票 23位 21票 22位 22票 21位 24票 20位 25票 19位 26票 18位 29票 17位 31票 16位 34票 15位 35票 14位 39票 13位 42票 12位 49票 11位
本稿では,経済産業研究所が実施したアンケート調査の結果を用いて,増税の是非と社会保障の縮小・拡大という選択に対して,信頼や公共心などの個人の意識がどのような影響を与えるかを分析した.特に,増税せずに社会保障の拡大を求める人々の特徴をみると,税負担と社会保障増減の整合性を取るような財政中立的選択を支持する人々に比べ,政府・他人への信頼や公共心が低い一方,政府への依存が強く,市場経済に懐疑的であった.また,教育水準,時間当たりの所得,相対所得が低かった.これらの結果は,将来に向けて財政・社会保障の持続可能性を確保していく上で,政府・他人に対する信頼や公共心を醸成していくことが重要であることを示唆している.
本論文は、人工妊娠中絶(以下、中絶)に関連する諸問題が韓国政府の人口調整政策によっていかに歴史的に影響を受けてきたか、また韓国の現代のリプロダクティブ・ジャスティス運動がいかに社会変革に寄与したかを調べたものである。2019年4 月11日、韓国の憲法裁判所は中絶禁止が違憲であると判決を下した。これにより、韓国議会は2020年12月31日までに制定66年になる反中絶法(堕胎禁止法)を改訂しなければならなくなった。この歴史的な判決は、韓国の数多くのフェミニスト団体、医師たちの組織、障害者権利グループ、若きアクティビストたち、宗教団体が力を結集し2017年に立ち上げたジョイント・アクション・フォー・リプロダクティブ・ジャスティスのためのジョイント・アクション(Joint Action for Reproductive Justice,以下Joint Action)の運動と密接に関連していた。本論
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