品質向上はトヨタが“反面教師”――“企業風土に見合った経営”を徹底する現代自動車:井上久男の「ある視点」(3)(1/3 ページ) 日本市場以外で高い成長を見せる韓国の現代自動車。取材から見えてきたのは、為替差益やマーケティング力だけではない、日本企業を反面教師とした経営方針だ。 現代自動車(傘下の起亜自動車<以降、起亜>含む)の快進撃が続いている。2011年の現代自動車の世界生産は10%増の633万台を見込む。トヨタ自動車(以降、トヨタ)が東日本大震災の影響で部品供給が止まり、中国や米国などでも生産が落ち込んでいるため、米ゼネラル・モーターズ(GM)、独フォルクスワーゲン(VW)に次いで現代自動車が世界3位に入る可能性も出てきた。 好調な現代自動車の状況を決算データから見ていくと次のようになる。 2010年1月―12月期の連結決算は売上高が前年同期比23.1%増の112兆5897億ウォン(