警察当局による要人警護の信頼を大きく揺るがす結果となった安倍晋三元首相(67)の銃撃事件。警察庁も課題の洗い出しを進めているが、焦点となりそうなのが国の関与のあり方だ。警視庁や各道府県警が現場の警護を担う日本に対し、海外では政府機関が直接その役割を果たすケースが目立つ。国や政府の関与強化にはメリットが指摘される一方、「弾力的な対応ができなくなる」(警察関係者)との声も。事件を機に、どのような変革が求められるのだろうか。 「米大統領警護隊(シークレットサービス)は警護のためなら決して妥協しない」。警視庁に23年在籍し、各国大使館に警備上の提言をするなどの実績がある「オオコシセキュリティコンサルタンツ」(東京)の松丸俊彦シニアコンサルタント(55)は、海外における要人警護の徹底ぶりをこう強調する。 米大統領が来日した際、随行する警護員は少なくとも数十人。事前に複数回にわたって訪問先を下見し、本