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ブックマーク / music.fanplus.co.jp (7)

  • 豪華客演に囲まれて行われた、安藤裕子Live 2016 「頂き物」 東京公演をレポート

    安藤裕子にとっては、自分自身を見つめるライブになったのではないかと思う。 彼女はデビューからの13年間、基的には全てのオリジナル曲の作詞と作曲を自ら手がけてきた。楽器を弾かない彼女が歌うアカペラのデモを基に、主にディレクターの安藤雄司と鍵盤奏者でバンマスでもある山隆二の3人でアレンジを詰めていく。他アーティストへの楽曲提供を始めたり、歌手としてフィーチャリングで参加することに積極的になった時期もあったが、自身のオリジナル曲においては、このトロイカ体制はデビュー前から現在まで変わっていない。安藤裕子の楽曲の世界観を具現化するのにこれ以上ない、固い信頼関係に結ばれたチームだったのは間違いないが、1つのチームによる制作がこれほど長い期間続く例は、あまり他に類を見ない。そんな彼女たちが初めて他アーティストに楽曲提供を依頼したのが、最新アルバム『頂き物』であり、同ツアーには、アルバムに楽曲を提供

  • 数々のアーティストからの提供曲で構成された安藤裕子の新作『頂き物』は、まるで“宝箱”のような作品。

    安藤裕子が通算9枚目となるニューアルバム『頂き物』をリリースした。彼女と交流のある10人のアーティストからの提供曲で構成された作で、安藤裕子は唄い手に専念している。1枚のアルバムでは同居しえないようなアーティストたちが織りなす多様な世界で、時に軽やかに、時に切なく、実に多彩に染まってみせている。しかし、シンガーソングライターである前に、ものづくりが大好きだった彼女がなぜ、「曲を頂いて歌う」ことにしたのだろうか? ここ数年、彼女は何度も終わりという流れに飲み込まれそうになりながらも、なんとか立ち向かい、押しとどめ、前へと進み続けてきた。そんな彼女が辿ってきたここまでの道のりと心の流れを改めて辿ってみたいと思う。 EMTG:まず、作を制作にするに至った経緯からお伺いしたいと思います。 安藤:もともとはディレクター発信の企画だったんですよね。13年やってきた道のりの中で、私がだんだん私小説

    数々のアーティストからの提供曲で構成された安藤裕子の新作『頂き物』は、まるで“宝箱”のような作品。
  • 安藤裕子、“歌う力”を完璧に取り戻した、美しき一夜

    「明日がきっといい日になる」 そう言って、安藤裕子は少し照れくさそうにうつむいた。全国ツアーのファイナルとなる中野サンプラザ。バンドセットによるライブは1年半ぶりになるが、彼女はステージで“歌う力“を完璧に取り戻したようだ。 彼女が最も憔悴して見えたのは、デビュー7年目の2010年だ。前年に初のベストアルバムをリリースした彼女は、オランダのプロデューサーであるベニー・シングスらを迎えた5枚目のアルバム『JAPANESE POPS』を制作。その年の<ミュージック・マガジン>が発表したベストアルバムJ-POP部門年間1位に選ばれたほどのハイクオリティーなポップス集となっていたが、デビュー以来休みなく動き続けてきたことに加え、整然としたストイックな作業に没頭したことで、心と身体が悲鳴をあげていた。 翌年、心身の不調を感じていた彼女を、東日大震災と最愛の祖母の死、そして、自身の出産と妊娠に伴うア

    安藤裕子、“歌う力”を完璧に取り戻した、美しき一夜
  • 「元気に死んでほしい」――安藤裕子、明日を生きるための救済の歌たち

    緑の道を抜けて、ホールに入る。ガラス張りのロビーに設置されたライブ写真や巨大なリンゴのオブジェを眺めたあと、重い扉を開き、リクライニング式になっている座席に腰を下ろす。街中にあるホールで、安藤裕子の音楽を聴くというのは、ひどく贅沢な時間のように感じる。日常の真ん中で日常が消えていく。日々のあれこれで強ばった心が次第に解けていき、いつしか、家族や友人、大切な人と再会したような穏やかな気持ちになっていく。おかえり、ただいま。久しぶり、元気だった? さよなら、またね。きっと元気でいてね……。「今日がいちばん楽しいという日が、ずっと続くといいなと思いながら歌ってる」という安藤裕子の歌声には、何気ないけれども優しさを感じる、願いのような思いが込められているように思う。みんなの今日が、明日が善き日でありますように。観客も彼女に対して同じ気持ちでいる。今年で6年目を迎えた安藤裕子のアコースティックツアー

    「元気に死んでほしい」――安藤裕子、明日を生きるための救済の歌たち
  • 期待と熱気に包まれた、クリープハイプのツアー・ファイナル!

    チケットが即日完売したという、クリープハイプの「つま先はその先へ」ツアー・ファイナル@赤坂ブリッツ。開演直前の会場は、その期待と熱気でいっぱい。メンバーが登場し、まずはボーカル&ギターの尾崎世界観がこう言った。「今日は6月9日、ロックの日と言われていますが、そんなの関係ないです。クリープハイプのツアー・ファイナルです。忘れられない一日にしましょう」。そんな宣誓と歓声の後に始まったライヴの1曲目は「愛の標識」。続けて、「愛は」「NE-TAXI」と畳み掛けると、1階フロアがグラグラと揺れるようなオーディエンスの熱狂が渦巻く。そのバンドサウンドや4人の佇まいは、しっかりとしたグルーヴを携えており、凛としたライヴ・パフォーマンスは実に頼もしく感じられた。それもそのはず、昨年あたりからジワジワと注目のニューカマーとして話題を集めてきたクリープハイプだが、バンドの結成は2001年。途中でメンバーが尾崎

    期待と熱気に包まれた、クリープハイプのツアー・ファイナル!
  • 溢れる光が希望を灯す――andymoriの最新作

    4thアルバム『光』は、リスナーそれぞれの心に温かいエネルギーを届けてくれる1枚だ。音楽を奏でる幸福、聴く喜び、友への想い、自己との対話……様々なテーマを綴りつつ、嘘偽りのない何かを感じた瞬間の無上の心の震えを鳴り響かせている。納得のいくボーカルテイクを録るためにリリースが約2ヶ月延びたことをご存知の方も多いと思うが、妥協の一切ない渾身の曲達は、あなたにとってかけがえのない存在となるはずだ。作について3人に語ってもらった。 EMTG:清々しい息吹に溢れているアルバムだと思いました。 小山田壮平:暗くなっている世の中の雰囲気もあるし、そういう自分自身もある。それに対して抗うような解放、“光よ、射してこい!”みたいなイメージですかね。そういうのが原型だった気がします。 藤原寛:今までで一番自由で屈託なく音を作っていけたアルバムですね。壮平が弾き語りで持ってきた曲の元のお陰でそうなったというの

  • クリープハイプ、ついにメジャー1stアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』をリリース!

    数年前に初めて見たクリープハイプは、荒れ狂うバンドだった。尾崎世界観の歌詞は、自分が生きる中で感じ取ったことをしっかり描くという意味では、すでにその時点で完成度が高かった。が、バンドとしては精度が低かった。尾崎のユニークな激情を表現するには、ハイレベルの演奏技術が必要だったのだ。やがてメンバーは、散り散りになった。以降、尾崎は苦闘の連続。ただ、彼の信念と自信は揺るがなかった。一方で、孤独を深めていったのも事実だろう。 そして彼の歌を愛しながら表現するメンバーに巡り会った。尾崎世界観(vo,g)、小川幸慈(g)、長谷川カオナシ(b)、小泉拓(dr)の4人は、ついにメジャー1stアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』をリリースする。内容は12曲中4曲が再録。インディー時代の名曲「チロルとポルノ」などが入っている一方で、「愛の標識」などスピード感あふれる新曲も収められていて、バンドの優れ

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