安藤裕子にとっては、自分自身を見つめるライブになったのではないかと思う。 彼女はデビューからの13年間、基本的には全てのオリジナル曲の作詞と作曲を自ら手がけてきた。楽器を弾かない彼女が歌うアカペラのデモを基に、主にディレクターの安藤雄司と鍵盤奏者でバンマスでもある山本隆二の3人でアレンジを詰めていく。他アーティストへの楽曲提供を始めたり、歌手としてフィーチャリングで参加することに積極的になった時期もあったが、自身のオリジナル曲においては、このトロイカ体制はデビュー前から現在まで変わっていない。安藤裕子の楽曲の世界観を具現化するのにこれ以上ない、固い信頼関係に結ばれたチームだったのは間違いないが、1つのチームによる制作がこれほど長い期間続く例は、あまり他に類を見ない。そんな彼女たちが初めて他アーティストに楽曲提供を依頼したのが、最新アルバム『頂き物』であり、同ツアーには、アルバムに楽曲を提供