リフレ派の教組クルーグマンの逃亡 以上のような言説は、特に目新しいものではなく、最近の経済指標に触発されて主だったメディアで一斉に言われ出したという状況が新鮮だというだけである。しかし、私にとって近年最大のサプライズは、アベノミクスにリフレ派の教組として理論的基礎を提供したノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンが、その自説の誤りを認めて撤回してしまったことである。しかも、理路整然とではなく、ほとんど何を言っているのか分からないヨタヨタの駄文を長々とインターナショナル・NYタイムズ内のブログに書いて、である。 このアベノミクスにとって致命的とも言える“事件”は、私の知る限りでは日本の主要メディアできちんと紹介され論評されたことはなく、私はネット上で何人かのエコノミストが触れて「この人がよくぞノーベル経済学賞など貰ったものだ」とまで酷評しているのを知って、慌てて10月20日付同紙の「日本再考」