ドコモも無策だったわけではない。ドコモの回線を利用しているMVNOをドコモショップで販売する取り組み「エコノミーMVNO」を2021年から開始し、低価格志向のユーザーを取り込もうとしてきた。 現在までにレゾナントのOCNモバイルを含めた3ブランドが参加。ドコモ本体でカバーしきれない廉価プランは小回りの利くMVNOに補ってもらい、ドコモは回線使用料を得るビジネスモデルとする狙いだった。 しかしMVNOは通信がつながりにくいなどのデメリットがあるうえ、「ドコモ提供」という安心感での訴求ができない。販売面においても「キャリアのプランと比べて販売手数料が少ない分、代理店側が積極的に売ってくれなかった」(エコノミーMVNOの参加事業者)。結果的に、他社へのユーザー流出の歯止めにならなかったのが実態だ。 ドコモの井伊基之社長は5月の決算説明会の場で「(価格の安さを売りにした)エコノミーMVNOでできる