好評シリーズ「東大教授に無茶ぶりで『お題エッセイ』を頼んでみた」、今回のお題は「身体性」。佐倉統先生の筆は、AIの進化を語る未来学者たちが、まさに身体性を軽視しているために重大な誤りを犯していると警告する──。 わずか3ページで文字が脳をハッキング アルゼンチンの作家フリオ・コルタサル(1914ー1984)の短編に「続いている公園」というのがある(『悪魔の涎・追い求める男 他八篇 コルタサル短篇集』岩波文庫、『遊戯の終わり』〈こちらも〉岩波文庫に収録)。 文庫本でわずか3ページの、超超短編。だがこれが超超名作なのだ。恐ろしいほどの鋭利さをもって、小説内の世界と現実の世界をつなぐ。 文学作品が他ならぬVR/ARの先駆けであることを印象的に提示し、「小説とは文字による脳のハッキングである」という円城塔の発言を彷彿とさせる(円城塔「小説と人間の間で起こっていること」5: Desigining M