仕事の腕が一流だったのに劣等感に苛まれ続けていた昔の上司と、昔の自分と戦う4年の付き合いになる知人を見ていて、ずっと心がぎゅっと締め付けられるような思いをしているので書く。 人生には、いろいろな初期設定がある。夫婦仲円満なお金持ちの家でたっぷり愛情を注がれて育つ子もいれば、貧困家庭で虐待を受けて育ち、生きるために食べ物を盗まなければいけない子もいる。子どもがその中でどう育つかを見ていくと、私の目へ一番ビビッドに映るのは「見返してやるためにのし上がろうとする」タイプの人だ。 のし上がる、といってもホームレスから大富豪に…的ストーリーではない。この世には相対的貧困率やIQなど「数値化できるハンデ」もあるだろう。しかし、私はあくまでその子が「私の人生は最初からついてないほうだ」と思ったなら、その気持ちが一番大切だと思っている。子供の目で見た「世界」で自分が劣っている、家庭が荒んでいると感じた、と