人権は国籍や出身地を問わずに尊重されなければならない。その普遍的な理念が、ないがしろにされかねない。 在留資格がない外国人の帰国を徹底させる改正入管法が成立した。1年以内に施行される。 入管施設に収容されていたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが死亡したことが社会問題になり、廃案となった2年前の法案とほぼ同じ内容だ。 帰れない事情がある人たちへの配慮を欠く。 国会周辺をはじめ、全国各地で反対するデモや抗議活動が繰り広げられ、国連の人権専門家からも懸念を示されていた。 にもかかわらず、参院本会議で採決された。 とりわけ問題なのが、難民認定の申請を事実上、2回までに制限する規定だ。3回目以降は、審査中でも強制送還が可能になる。 滞在を続けるため、制度を乱用するケースがあると政府は主張している。 命を危険にさらす恐れ ただ、日本は世界的に見て難民の受け入れに消極的だ。 支援団体によると、迫