通信は災害時の安否確認や救助要請、復旧作業の連絡で要となるインフラだ。強靱(きょうじん)性を高めなければならない。 能登半島地震では、通信網が機能不全に陥った。停電で携帯電話の基地局が稼働しなくなったり、設備が故障したりしたためだ。 事業者は代替手段を講じている。NTTドコモとKDDIは共同で船上に基地局を設け、海上から電波を飛ばした。ソフトバンクは特別なドローンを基地局として運用している。東日本大震災の経験を踏まえて導入した仕組みだ。 ただ、通信エリアが限られ、被災地の一部では今も電話やネットがつながりにくい状況が続いている。復旧が遅れれば、ドローンによる情報収集やオンライン診療などにも支障をきたす。 防災機能の強化は喫緊の課題である。東日本大震災では約2万9000の基地局が停波したが、原因の約8割は停電だった。 事業者は基地局の予備電源を強化し、3時間だった稼働時間を24時間程度まで延