ネットで配信される記事の流通実態について、公正取引委員会が報告書をまとめた。新聞社や放送局からの記事を掲示するニュースポータルサイトと、配信元の報道機関との取引を調べた。 ヤフーニュースのようなサイトを通して記事に接する人が多くなっている。報告書はこうした現状を踏まえ、運営企業が報道機関に対して有利な立場になりうると指摘した。記事の対価として報道機関に支払う「許諾料」が著しく低い場合などは、独占禁止法に違反する可能性がある。 公取委は今回、運営企業の収益構造にまで踏み込んだ。質の高いニュースにアクセスできることが「民主主義の発展において不可欠」との認識を持つためだ。 ネットで無料の記事を読めるようになり、海外では新聞社などの破綻が相次いでいる。記事への対価を十分に得られず、経営が立ちゆかなくなれば、権力を監視する機能が弱まりかねない。国民が社会問題を考えるうえで必要な情報の正確性や客観性も