先々月のこと、「あんこラボ」のトークショー(和菓子を楽しむイベント)に呼ばれて、主催のエンドーさんとあんこ談義を楽しんできた。 その際、通の彼女が取り寄せてくれた一つが、極めて珍しい和菓子(棹菓子)だった。 和菓子の3大エリア、京都・金沢・松江の一角、松江「御菓子司 三栄堂」の逸品「日の出前(ひのでまえ)」。 パッと見には、きれいなあずき羊羹だが、寒天を使用ない、この店独自の製法で、シャレた紙包みを取っていくと、藤紫色の美しい棹菓子が現れた。 「皮むき餡でこしあんをつくってから、熱いうちに上から丹念に押し積みして、何層にも重ねてていく製法で、素材はほとんどこしあんと砂糖だけ。しののめ(東雲)造りというらしいんですよ」 エンドーさんの説明を聞きながら、そんな造り方があるんだ、と驚きながらいただくと、参加者のほとんどが数秒後に「口どけがすごい。美味しい」とため息をついた。 きれいなこしあんの塊