イタリアで多様な角度からデザイン開発に携わる企業・個人を紹介する本企画。第4回は、かつてこの国を代表するカロッツェリアのひとつだった「ベルトーネ」の名を継承したストゥディオと、それを率いる人物のインタビューをお届けする。 ■ベルトーネその後 旧ベルトーネは2014年に倒産した。設計開発部門とともに同社の二本柱を形成していた車体製造部門の業績不振が原因だった。背景には、自動車メーカーがベルトーネに生産委託していたクーペ、カブリオレといったニッチ車種の相次ぐ廃止があった。参考までに、トリノ郊外グルリアスコの工場は旧FCAの手に渡り、現在はマセラティの工場となっている。 自動車に関するベルトーネの商標は公売に付され、2016年に多国籍エンジニアリング企業「アッカ・ホールディングス」によって落札された。さらに2019年、同社によって商標は他社に供与され、2022年現在もその用途が模索されている。