東京・秋葉原で7人が死亡、10人が負傷した無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大(ともひろ)被告(28)に対し、東京地裁は24日、求刑通り死刑を言い渡した。村山浩昭裁判長は「人間性の感じられない残虐な犯行で日本全体を震撼(しんかん)させた。被告の危険な性格や行動は根深く、更生は著しく困難」と述べた。弁護側は控訴する方針。 被告は捜査段階から起訴内容を認め、責任能力の有無が主な争点だった。弁護側は「被告は事件の記憶がほとんどなく、何らかの精神疾患があった可能性がある」として心神喪失か心神耗弱を主張したが、判決は「意識障害は認められない」として完全責任能力を認めた。 また「携帯サイトの掲示板の嫌がらせに対してやめてほしいと伝えたかった」との被告の法廷説明を主要な動機と認定。事件直前に職場で作業着が見つからず職を失うと勘違いした点も事件の契機と認め「家族、友人、仕事を失い