独身時代に読んでおいて本当に良かった!と思う漫画がある。 山岸涼子「六の宮の姫君」 ホラーではなかったが、臓腑が凍りつくような怖さを覚えた短編だ。 主人公の女の子には、異性として気になる先輩と、憧れの従姉がいる。 先輩とは、もしかして脈ありと期待するものの、つい逃げ腰に。 従姉は、そろそろ結婚を考えるお年頃。アートなお仕事に励みながらお見合いを始める。 ところが、主人公から見てとても魅力的な従姉の見合いが成功しない。 外見に難があるのかと、年配者の意見に従い、個性的な衣装をやめてピンクの振袖をまとう従姉を見て、彼女らしくないと憮然とする主人公。 そして、そこまでしても話はなかなかまとまらない。 断ったり断られたりを繰り返すうち、従姉が気づいた真実。それが芥川龍之介「六宮の姫君」だった。 この「真実」が、あまりにも身につまされて、自分を見抜かれた気がして恐ろしくて仕方なかった。 私も同じだ、