曰く。若者がクルマに興味をもたなくなった。 曰く。酒を飲まなくなった。 曰く。海外旅行をしなくなった。 彼らの行動は、4文字で言うならば「風林火山」。 疾(と)きこと風のごとく(何かが流行っても風のように過ぎ去って廃れていく) 徐(しず)かなること林のごとく(流行を仕掛け、煽っても静かなリアクションしかしない)掠めること火のごとく(商品や情報の送り手に何か不祥事があればネットを通じて一斉に攻撃する)動かざること山のごとし(どれほど消費マインドを刺激しても一向に動かない) そんな若者たちの価値観を読み解く手だてはあるのか? 小谷 敏教授が解説する。 拡散する「若者」の定義 90年代のはじめ頃まで、「若者」とは16歳から24歳までと定義されていた。高校生から大卒で就職して1~2年までの人たち。子供と大人の過渡期にいるのが「若者」だった。しかし、就職氷河期が訪れてフリーターになる若年層が出てくる