江戸川乱歩の「少年探偵団」に、〈美〉の一文字が加わって生み出された『美少年探偵団』。2015年の刊行後、「暗黒星(副題)」「ぺてん師と空気男と〜」「屋根裏の〜」など、シリーズ全12作が発表されている。アニメ版の放送開始を受けてその作者に迫った。 (取材・文=吉田大助) 新本格ミステリの登竜門・メフィスト賞からデビューした西尾維新は、かつて「探偵小説」と呼ばれていた「推理小説(ミステリ)」を書くにあたり、これまでにない新たな探偵を作り出すことで、エンターテインメントの可能性をアップデートしてきた。例えば、「ネットカフェ難民」に身をやつした元刑事が主人公の『難民探偵』(2009年)、「自分以外は名探偵」という家族を持つ主人公が、家族のネットワークを武器に殺人事件の解決に挑む『ヴェールドマン仮説』(2019年)。そして、テレビドラマ化もされた代表作であり、最新刊『掟上今日子の鑑札票』ではついにヒ