何気なく日本地図を見ていた。石垣島や西表島のさらに西に、豆粒より小さく描かれた島がある。「よなぐにじま」というようだ。隣はもう台湾。どうやらここが日本の一番西らしい。「んだがったんが! おぼえでおぐべ。日本の一ばんにしは、よなぐにじまっていうどごなんだぜ!」 沖縄に来て以来続けざまにやってきた台風も一段落したようで、この日は朝から晴れていた。この様子なら無事与那国行きの船も出そうだと、まつや旅館を出発した。「ホットスパー」で簡単な朝食を済まし、DJEBELに給油しておく。八重山に来てからあまり走っていないので、給油するのも久しぶりだ。 離島桟橋の窓口で与那国行きの切符を買う。乗るのは福山海運の「フェリーよなぐに」だ。9時にDJEBELともども船に乗り込んだ。10畳ほどの広さの船室の片隅に陣取り、備え付けの雑誌を読んでいるうちに出航時刻の十時になった。船は石垣港を出て西に向かう。とうとう与那