運動会のシーズンです。ちょっと興味がわいて「綱引き」について考えてみました。以下の記事は95年9月にNIFTY-Serveの教育実践フォーラム・専門館FKYOIKUS「理科の部屋」に同名のタイトルで掲載した私のメッセージをリライトしたものです。 目次: (1)静力学的な考察 (2)体の回転運動に関する考察 (3)均衡を破る機構 (4)綱引き必勝法 追記 (1)静力学的な考察 下図は綱を引いている一人の選手のつもりです。この人に外部からはたらく力のつりあいと大小を考えて、綱引きに勝つための条件を考察しましょう。最初は簡単のため、静力学的に考えます。つまり「ゆさぶり」のような激しい動きははないものとし、つりあいに近い状態で、敵味方がほぼ互角に引きあっているものとします。 外部から人にはたらく力は4つあります。手が綱から受ける摩擦力T(他にも味方がいる時はTは綱の張力ではないので注意)、足が地面