小説や企業ルポで当たり前のように目にするようになった「『蛍の光』が流れ始めた」という表現。いまや『蛍の光』といえば終業、帰宅を象徴する楽曲だ。 そんな『蛍の光』に代わる「帰宅の代名詞」を生み出す試みが始まっている。USENが東京藝術大学との共同研究を経て制作した「帰宅を促す音楽」だ。この楽曲は、2019年2月からUSENのオフィス向け音楽配信『Sound Design for OFFICE』で聴くことができる。 BGMを流すオフィスや作業中にイヤフォンを着けて作業する人々など、いまではすっかり当たり前の「オフィスで音楽を聴く」という行為だが、一昔前には多くの人が眉間にしわを寄せるほどに信じられない行為だった。その普及に大きく貢献しているのが、有線放送業界で長年シェアを誇るUSENだ。 なぜUSENは、それまでの店舗向けサービスだけでなく、オフィス向けの音楽に注力するのか。そしてそんな彼らが