さらば「痛勤」――。数百円の追加料金を払えば通勤時間帯も座って乗車できる「有料着席サービス」に、鉄道各社が力を入れている。混雑緩和が足踏みする中、各社は最新型車両を投入するなど、快適さを競い合う。 火曜日の午後8時前、京王電鉄新宿駅。地下ホームの3番線に準特急、2番線に全席指定「京王ライナー」と、どちらも京王八王子行きの電車が並んだ。準特急はドアが開くや否や、つり革の空きもなくなる混雑ぶり。一方、追加料金400円のライナーは立ち客ゼロで、パソコンを開いたり菓子をつまんだり、「痛勤」とは無縁の風景だ。 北野駅(東京都八王子市)まで乗るという女性会社員(39)は「週3、4回は利用する。定期とは別に400円は自腹になってしまうけど、ゆったり座って帰れる快適さには代えられない」と話す。 京王ライナーは2018年2月、夜間の下り電車として登場。平均乗車率が8割と好調だったことから、今年2月から新たに