2014年は情報セキュリティに取り組む企業での残念な点ばかりを指摘してきたが、最後はすばらしい成果を達成した企業でのケースを紹介したい。 読者の皆さんは、金融機関のセキュリティがその他の業種に比べて極めて強固だと思われているのではないだろうか。しかし、実態は違う。同じ従業員規模でみれば金融機関のセキュリティは、“多少はマシ”というレベルが多く、中には「零細企業レベル」というところすらある。本連載ではこんな辛口ばかりを掲載してきた。せめて2014年の最後は、筆者が情報セキュリティの相談に対応する中で良かったことをお伝えし、1年を締めくくりたい。 専門家を生かす企業 さて筆者は、2013年から2014年10月にかけてA信用組合で情報セキュリティを強化する作業にあたった。無事予定通りに完了したケースだ。最初の段階で筆者がどう行動すべきか尋ねたところ、役員から「今まで萩原氏のセミナーや講演を何回も