近年、患者数が激増している「梅毒」。国内患者数は、長い期間1000人以下だったが、2013年以降に急増、2018年は7000人を超えるまでになっている。 「戦後、特効薬の『ペニシリン』で患者は激減。ほぼ出ない “幽霊病” といわれていました」 そう解説するのは、性感染症に詳しい、尾上泰彦医師(プライベートケアクリニック東京院長)。“幽霊病” が、いまなぜ急増? 「梅毒の感染経路の大半は、性的接触です。増加原因は諸説あり、ひとつが外国人旅行者の増加。でも、国立感染症研究所のゲノム解析によれば、関連性は薄いとされています。 マッチングアプリの影響とする説もありますが、プライバシーに関わるため疫学的調査のしようがなく、断定はできません」(尾上医師) そんななか、梅毒患者の爆発的増加で注目を集めるのが、岡山県だ。2013年まで年間数人だった患者数が、2017年には172人に増加。2018年に160