専用スタジアム不足は日本の命取り 【金子達仁】2009年05月15日 隆盛を極めたセリエAが、苦境の時代に陥りつつある。 欧州CLでの上位進出こそ逃したとはいえ、これでイタリアのサッカーが地盤沈下した、と決めつけるのは早計だろう。その競争力は依然として高いレベルにあり、ポテンシャルとしては相変わらず欧州3強の位置を堅持していると言っていい。 問題は、観客動員である。 一昔前であれば、イタリアのスタジアムでプレーすることは多くのサッカー選手にとっての夢でもあった。レベルの高いカルチョ(サッカー)と、情熱的なティフォージ(サッカーファン)の存在は、世界中からスタープレーヤーたちを呼び込んだ。 それが、なぜ? 一つ言われているのは、W杯ドイツ大会前に起きた八百長事件の影響である。相当数のファンが、あの事件でサッカーから離れ、依然として帰って来ていないのだという意見がある。だが、セリエAの観客動員