大阪府が所蔵する美術作品を長期間、地下駐車場に置くなどずさんに扱っていた問題で、府は2024年度当初予算案に劣化した美術品の修復事業費3128万円を計上した。府が設置した専門家チームは中間報告で、作品にはさびやほこりなど「保管環境が要因と思われる劣化があった」と指摘。作品の適切な活用・保全は所有者である府の責務だとして、十分な予算確保を求めていた。 作品は府がバブル期の新美術館構想の一環で収集した7885点のコレクションの一部。構想は後の財政難で白紙撤回され、作品も行き場を失った。毎日新聞は23年7月、このうち105点が17年から6年間、咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の地下駐車場にずさんな管理状態で置かれていると報道。作品はその後、府内の別施設に移された。
日本テレビで昨年10月に放送された連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で、漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が死去したことを受け、ドラマの脚本を担当した脚本家・相沢友子氏が8日にコメントを発表。作品を巡る自身の投稿を反省し、追悼した。 芦原妃名子さんの訃報は1月29日に伝えられた。芦原さんは1月26日に更新した自身のXで、脚本をめぐり局側と折り合いがつかず、自らが9、10話の脚本を書くことになったとして視聴者に向けて謝罪。当初提示していた「漫画に忠実に描く」などの条件が反故になっていたと明かしていた。 日本テレビは公式サイトを通じ、同作について「日本テレビの責任において制作および放送を行ったもの」と説明し、芦原さんを追悼。出版元の小学館も芦原さんを追悼し、同作は未完のまま終了となると発表していた。ドラマ主演の木南晴夏や安田顕ら俳優陣も芦原さんを追悼していた。 相沢氏はこの日、自身のSNS
地下駐車場に置かれた鉄製の作品には、さびが発生していた。特に右上のダクトから外気が直撃する箇所は塩素(海塩)の影響とみられる黄色みを帯びたさびが目立つ=大阪府の公表資料から、黒川弘毅さん撮影 「美術作品に直接ステッカーが貼られている」 大阪府が公表した資料には、赤茶色にさびた作品の写真とともに、目を疑うような言葉が記されていた。 所蔵する美術作品を地下駐車場に置くなど不適切に扱った問題で、府は30日、作品の活用や保全を検討する専門家チームの中間報告を公表した。中間報告では、府が咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の地下駐車場に6年間も置いていた彫刻105点について、さびやほこりなど「保管環境が要因と思われる劣化」があったと指摘した。 ステッカーをはがすと、その部分は周りと比べて、さびが少なかったという。温湿度の変化も調べた専門家は「(作品のさびは)2017年以降急激に進行したと考えられ、
群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある朝鮮人労働者追悼碑の撤去を巡り、海外からも反対や懸念の声が上がっている。慰安婦問題など日韓関係に詳しいドイツ人の日本史学者でドイツ・ボン大学のラインハルト・ツェルナー教授は26日、山本一太知事に撤去の撤回を求める声明を発表し、27日からインターネット上で賛同者を募っている。日本時間30日夕まで学者ら240人の署名が集まった。 声明では「公共の記憶は、社会全体が関与するプロセスでなければならない」と指摘。「記憶と和解の重要性と必要性について合意が得られるまで、在日韓国・朝鮮人を含む市民、歴史学の専門家、政治家らと直ちに公開討論を行うこと」を求めている。その上で「合意が得られないまま碑を撤去することは、日本の歴史的責任を否定し、日韓関係を故意に損ねたと世界の人々に見られる」と警告し、撤去費用を県が市民団体に請求することに…
最大震度7を観測した能登半島地震。石川県輪島市の沖合約50キロの日本海に浮かぶ「舳倉(へぐら)島」では震度5弱を記録し、島民3人が被災した。食料の備蓄はあったものの、停電と断水、そしてネットもつながらずニュースを見られない。3人は孤立状態で約2週間を過ごし、14日に自衛隊のヘリで脱出。輪島市街地の大規模な焼け跡などを初めて目の当たりにして衝撃を受けた。 舳倉島は釣りやバードウオッチングの愛好家によく知られ、周囲約5キロ、最も高い丘は海抜約12メートルだ。現在は約30人が定住し、夏場は民宿を営業する人や海女たちが滞在して人口が増える。元日は輪島の市街地などで親族と過ごす人が多く、残っていたのは北陸電力の委託で電気設備の保守点検を担う坂口剛さん(57)と妻の幸子さん(56)、近所に住む海女の中野美津子さん(72)だけだった。
4年ぶりの共産党大会が15日、静岡県熱海市で始まった。18日までの大会期間中、最大の焦点は在任期間が23年を超える志位和夫委員長(69)の去就だ。近年、国政選挙で共産の議席減が続き、党員から指導部の世代交代を求める声が上がっている。 「ベテランの幹部とともに、将来性のある若い幹部、女性が存分に力を発揮できる新しい中央委員会を選出する」。志位氏は開会あいさつでそう強調した。その後、田村智子政策委員長(58)が18日に採択予定の大会決議案を報告。「党が総選挙で躍進することが日本の政治の行き詰まりを打開する最大の力となる。全力で奮闘する決意を固めよう」と呼びかけると、会場は拍手に包まれた。 田村氏が大会決議案の報告をするのは、2023年11月の第10回中央委員会総会に続いてのことだった。決議案報告は従来、主に志位氏の役割だった。指導部が田村氏に任せたのは「女性初の委員長」への布石――。こうした見
名古屋市立小学校の男性教諭(40代)が、2019~21年に同僚の女性教諭(20代)と学校内で性行為をしていたことなどを女性本人から学校側に告発され、自主退職していたことが関係者への取材で明らかになった。 女性教諭が23年1月に所属先の小学校に提出した報告書などによると、2人は19年4月、6年生(2クラス)の担任となり、男性は学年主任だった。 当時、男性は既婚、女性は未婚だったが、男性教諭が女性教諭に好意を抱き、19年7月から男性教諭が他校へ異動する21年春まで、校内で日常的に胸や尻を触っていたほか、男子トイレ内での性行為、裸の写真や下着姿などのわいせつ画像の送信要求などを繰り返していたという。
能登半島地震で、石川県内の観光業が深刻な打撃を受けている。震源地となった能登地方では観光名所や集客施設が被災し、休業を余儀なくされている。大きな被害を免れた地域でも温泉旅館などは影響の長期化を懸念している。 輪島市の観光名所「朝市通り」は火災で焼け野原になり、一角にあった「永井豪記念館」も全焼した。同市生まれの漫画家・永井豪さんを紹介するため2009年に開館し、館内で代表作「マジンガーZ」の大型フィギュアなどを展示していた。市によると、借りていた原画も焼失したとみられる。SNS(ネット交流サービス)上には「お宝がたくさんあったのに非常に残念」などとファンが書き込み、永井さんは10日、「みなさんが早く元の生活を取り戻せるよう、少しでもお手伝いができればと思っております」などとするコメントを発表した。 能登のシンボルとして知られる観光名所で、独特の形状から「軍艦島」の別名を持つ見附(みつけ)島
地域のもめごとがSNSでクローズアップされ、「炎上」するケースが相次ぐ。「都市と田舎」「若者と高齢者」などの単純化した構図のみが強調され、他の要因は顧みられない。背景には何があるのか。過疎地域の課題に詳しい徳島大の田口太郎教授(47)=地域計画学=に聞いた。 ――香川県まんのう町の交流施設からおもちゃが撤去されたというニュースをインフルエンサーがSNSで拡散し、住民が批判にさらされました。地方のトラブルが炎上するケースが目立ちます。 ◆SNSの普及で昔は地域内にとどまっていたもめごとが広く発信され、無関係の人の目にも触れるようになりました。特に地方のネガティブな話題は拡散し、たたかれやすい傾向にあります。都市との対立構図なら田舎、若者との対立なら高齢者に批判が集中していますが、根底にあるのは相互理解の欠如です。
冬季オリンピック・パラリンピック招致を巡り、札幌市は19日、市内のホテルで「招致関係者意見交換会」を開き、招致活動を停止することを決めた。国際オリンピック委員会(IOC)は2030年、34年大会の開催地を内定し、38年大会も絞り込んでおり、事実上、同市が約9年間にわたって取り組んできた招致活動からの「撤退」となる。 意見交換会には、日本オリンピック委員会(JOC)や関係自治体、地元経済団体、競技団体が参加。札幌市とともに招致に取り組んできたJOCの尾県貢専務理事は東京大会の汚職・談合事件を踏まえ「今はオリンピックへの信頼を取り戻すため、スポーツの価値向上に優先的に取り組む。現在の招致活動は停止する方向で関係者と協議する」と表明した。
成田国際空港会社は11月30日、航空機の貨物の積み下ろしや地上走行中の機体の誘導、搭乗手続きなどの地上業務を担当する空港スタッフの人手不足の影響で、9月末時点で新規就航や増便に伴う週152便の乗り入れ希望のうち、3分の2の週101便にしか対応できなかったと発表した。 同空港で地上業務を担当する約10社への聞き取り調査で判明。各社は人手不足に加え、作業に必要な機材不足なども理由に挙げた。 空港会社の田村明比古社長は記者会見で「危機意識を持った。調整に努め、直近は状況が大幅に改善している」と説明した。 地上係員の不足は全国的に顕在化し、航空会社の増便や新規就航に対応できていない。国土交通省が聞き取り調査をした結果、全国の空港の地上係員数は2019年3月の2万6300人から23年9月には2万3700人に減った。【中村宰和】
委員会で、関係者がLRT整備効果の検討状況などについて話し合った=宇都宮市のライトキューブ宇都宮で2023年11月27日、面川美栄撮影 宇都宮市と栃木県芳賀町でつくる次世代型路面電車(LRT)の効果などについて検証する「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」(委員長・森本章倫早大教授)が27日、宇都宮市で開かれ、8月の開業後に沿線で車の交通量が減少し、市内で路線バスの利用者が増加していることを示す調査結果が報告された。自動車からLRTへの乗り換えや、接続するバスの利用が一定数あったとみられ、今後も継続して調査や分析を進めていく。【面川美栄】 委員会には有識者や行政関係者ら委員22人が出席し、各構成機関が調査結果を報告した。両市町や宇都宮大でつくる「宇都宮市東部地域渋滞対策協議会」がLRTの通る「鬼怒通り」で調べたところ、今年9月の平日木曜の午前7時からの12時間の交通量は1万5604台で、開
自見英子万博担当相は17日の衆院内閣委員会で、2025年大阪・関西万博の基本計画で想定する来場者数や参加国数について「達成したか否かをもって、万博が成功したか、失敗したかを判断するものではない」と述べた。 日本国際博覧会協会が20年に策定した基本計画では、来場者数2820万人、参加国150カ国と想定している。万博の効果を測定するための数値目標の設定については、「万博の意義が時代とともに変化している。一定の数値目標を掲げ、達成したかどうかで万博の成功、失敗を判断するものではない」と答弁した。 政府は毎年策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」などで、政策立案時に具体的な数値目標を定めることを重視している。 また、万博閉幕後に撤去し、木材として再利用する予定の木造建築物「大屋根(リング)」に関しては、「どのように活用するか、具体的なことが決まってはいない」と述べた。一部で大屋根として保存すべき
必要な論文が読めない――。学術誌の購読料が高騰し、購読契約を打ち切る大学が出ている。それならばと近年、論文をインターネット上で無料公開する見返りに「掲載料」を取る出版社が増え、研究者から「二重取りだ」と不満が高まっている。 学問の成果は人類の共有財産ともいうべきもの。「出版社はもうけすぎ」との批判も聞かれる。出版社側はどう考えているのか。国際科学誌のトップに君臨する「ネイチャー」発行元の日本法人社長を直撃した。 「研究者サポートが役割」 取材に応じたのは、英国とドイツに拠点を置く学術出版大手「シュプリンガーネイチャー」の日本法人社長、アントワーン・ブーケ氏。東京都港区の同法人オフィスでインタビューすることができた。 「私たち出版社の役割は研究者のサポートだ。研究者が研究し、迅速かつ効果的に出版できるよう支援するサービスを提供している」。穏やかな口調で切り出したブーケ氏はこう続けた。「研究サ
「これはメディアにはフルオープンなので、ブチッと切り取られて『吉村がまた変なことを言った』と言われると思うが、批判を恐れず、選挙を恐れずだ」 10月6日夕、国会内の会議室。上京していた維新共同代表の吉村洋文大阪府知事は、半袖のポロシャツ姿でマイクを握り、威勢良く訴えた。府内で始める高校授業料の「完全無償化」について、維新の国会議員や地方議員ら約100人を前に、2時間にわたって解説し、ユーチューブでも同時配信された。憲法改正の条文案に教育無償化を入れるべきだと主張したうえで「自民党は教育の(完全)無償化は絶対やらない。大阪では私立も公立も、高校の授業料の完全無償化を成案化させた。来年春、高校3年生から実現していく」と強調した。 小中学校の義務教育は無償だ。高校授業料の一部無償化は既に、全国で始まっている。旧民主党政権やその後の自民党政権でも行ってきたが、政府は「実質」無償化と説明し、所得制限
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