【東京】28日の外国為替市場では、6年超ぶりの水準まで円安・ドル高が進んだ。後押ししているのは日本の円安志向に加え、インフレ抑制を優先する米当局者が一転して、暗に円安を容認する姿勢に傾いたことがある。 円は一時、2015年8月以来の安値となる1ドル=125円をつけた。半年前の相場は110円前後だった。 ドル高は米国やドルペッグ制を導入している国の消費者にとって、日本製品に対する購買力が高まることを意味する。インフレ率が8%近くまで跳ね上がっている米国にとっては追い風となりそうだ。 一方、日本の製造業者の視点から見ると、ドル建てのコストが下がり、米国の競合勢に対して競争力が増すことになる。こうした恩恵を背景に、日本の政策担当者はおおむね、足元の円安・ドル高の動きについて問題はないとの認識を示している。 ...
ロシアは2020年、それまで秘密とされてきた核兵器使用に関するドクトリン(核抑止政策の基礎)の詳細を初めて明らかにした。このドクトリンは、米国の戦争計画立案者らが以前からうすうす感づいていたこと、つまり通常兵器による戦争での敗北を回避するためならロシアは核兵器の使用をいとわないということを確信させるものだった。 ウラジーミル・プーチン大統領は、自らの指揮下で軍が先月ウクライナに侵攻して以来、米国と北大西洋条約機構(NATO)に紛争への介入を思いとどまらせるため、ロシアが核保有国であることを強調し、繰り返し核戦争の脅しをちらつかせてきた。 しかしロシア軍が、西側諸国からの大量の武器供与で強化されたウクライナ軍の激しい抵抗に直面する中、米国やその同盟諸国の政府の間では、ロシアが戦況を好転させる目的で、いわゆる戦術核の使用を検討するのではないかとの懸念が高まっている。 ...
世界各国の中央銀行は、ここ何年か続けてきた著しい金融緩和政策からの出口を探すとともに、緩和策に伴って生じたインフレを抑制しようとしている。だが、それぞれ独自の道を歩んでおり、政策が経済リスクにつながる場合もある。円相場の急落はその一例だ。 28日の円相場は、外為トレーダーらがある種の「心理的に重要な」節目として注目してきた水準を一気に割り込み、一時的に1ドル=125円にまで落ち込んだ。円相場はその後123円93銭まで戻した。円相場はこの6カ月間で約12%下落したことになる。 日本の金融政策が、他の主要国と足並みをそろえられずにいることが、こうした大幅な相場変動の理由だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は遅ればせながら英国の中央銀行であるイングランド銀行と同様に金利を引き上げつつある。欧州中央銀行(ECB)は、債券買い入れを縮小しつつある。 ...
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナ侵攻の血塗られた戦争をエスカレートさせ続けており、北大西洋条約機構(NATO)の忍耐の限度を試す姿勢を日々強めている。ジョー・バイデン米大統領は公式声明を通じ、ウクライナ支援で米国が何をしないのかを明らかにしているが、プーチン氏はこの米国の対応面の制約を活用しており、その過程で戦争の前線を一段とNATOとの境界線に接近させている。 ポーランド国境からわずか10マイル(約16キロ)の地点にあるウクライナの軍事訓練施設を狙った13日のロシア軍の爆撃が、重大な意味を持つのはこのためだ。この攻撃で35人が死亡し、130人以上が負傷した。ここでは先月まで、米国の州兵がウクライナ兵の訓練を行っていた。 ミサイル8基による攻撃を受けたこの施設は、侵攻の最前線やロシアが掌握しつつあるウクライナ北部・東部の都市から遠く離れている。ロシアのセルゲイ・リャブコフ外
ロシアの非鉄金属生産大手ノリリスク・ニッケル(ノルニッケル)は、かつての極北の流刑地を拠点にして、気候変動に対応する輸送手段やコンピューターチップ製造に欠かせない2種類の金属生産で大きな役割を果たしている。 米国とその同盟国は今のところ、同社に対し、あるいは新興財閥(オリガルヒ)の一人で同社の最高経営責任者(CEO)を務める人物に対し、制裁を科していない。それは、主要資源への自国のアクセスを損なうことなくロシアを罰しようとして各国政府が直面するジレンマを浮き彫りにしている、と一部のアナリストは指摘する。 ノルニッケルは、電気自動車(EV)用電池の主要素材であるニッケルの年間生産量の約5%を占め、触媒コンバーター(排ガス浄化装置)や半導体に使われるパラジウムの年間生産量の約40%を担っている。またコバルトや銅などの遷移金属も供給している。 ...
歴史はゆっくりと動きつつ、ある時点で加速する。ウクライナの戦争は、数日のうちに欧州の安全保障の地勢図を塗り替え、冷戦後の秩序を一変させ、ロシアを再び西側から切り離した。 ロシアによる侵攻を受け、西側諸国とその同盟国は、空前の対ロ経済制裁を相次ぎ打ち出した。米国と欧州は予想外の結束ぶりを見せつけている。欧州連合(EU)は、ロシアがもたらす真の脅威に何年も及び腰だったが、ここ数十年に見られなかったほど迅速かつ果断に行動している。 従来はロシアに対してハト派的だったドイツは、政策を急転換し、ウクライナ防衛のために軍事費の大幅増額と殺傷能力の高い兵器の導入を表明した。オラフ・ショルツ首相はこの侵攻を「われわれの大陸の歴史における分岐点」と呼んでいる。北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、同機構の東方で軍の駐留を強化する動きに出た。 ...
ロシア企業は2週間前まで、世界中で自社製品を売り、国外の株価指数ファンドから投資を得ることができた。ロシア市民は国内でノートパソコンのMacBook(マックブック)やトヨタ車を買うことができ、国外で自国通貨ルーブルを自由に使えた。 現在彼らは、金融面の制約を受けている。ロシアによるウクライナ侵攻の直後から、ロシア経済を孤立させウラジーミル・プーチン大統領に圧力をかけるためのもう一つの戦争が始まった。その第1波は、ロシアの銀行システムを標的とした西側諸国政府による制裁だった。しかし、ここ1週間で制裁の主力は金融システム全般に対するものに変わった。それは、ロシアと世界を結んでいた資金流通のすべての動脈を、事実上断ち切った。一部のケースでは、制裁措置が意図していた範囲以上の対応が取られた。 クレジットカード会社のビザとマスターカードは、何百万人ものロシア市民による国外での買い物について、決済処理
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