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「予言の書」としての『1984』 - 内田樹の研究室
『月刊日本』(2021年5月号)に『1984』をめぐるロングインタビューが掲載されたので、転載し... 『月刊日本』(2021年5月号)に『1984』をめぐるロングインタビューが掲載されたので、転載しておく。 ― 内田さんは新訳されたジョージ・オーウェル著『1984』(田内志文訳、角川文庫)の解説を書いています。今や古典的な文学作品ですが、コロナ以後に再注目されています。 内田 『1984』は1948年に発表されたディストピア小説です。ご存じのようにスターリンのソ連をモデルにしています。「ビッグ・ブラザー」という独裁者が君臨する管理国家・監視社会の中で、体制に疑問を抱いた主人公の経験する危機と転落が描かれています。 最初は半世紀くらい前、高校生の時に読みました。その時は、正直言って、あまりリアリティを感じなかった。もうスターリン批判の後でしたし、世界中で若者たちが叛乱していた時代ですから、いまさら先進国が独裁になることなんてあるはずないと思っていたから です。でも、いま読み返してみたら、小説
2021/04/27 リンク