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【レビュー・書評】天地明察 [著]冲方丁(うぶかた・とう) - 売れてる本 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)
天地明察 [著]冲方丁(うぶかた・とう)[掲載]2010年1月31日[評者]斎藤環(精神科医)■キャラ全開 堂... 天地明察 [著]冲方丁(うぶかた・とう)[掲載]2010年1月31日[評者]斎藤環(精神科医)■キャラ全開 堂々時代小説 冲方丁といえば2003年に『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞を受賞した新進気鋭だ。漫画原作やゲーム、ライトノベルの書き方指南も手がけるメディアミックス展開も、SF者なら納得がいく。それだけにこの新作には完全に意表を突かれた。なんと時代物である。 これが実に堂々たる時代小説で、しかも圧倒的に面白い。474頁(ページ)にも及ぶ長編を、引きこまれるように一気に読んでしまった。 主人公の渋川春海は、江戸時代前期に実在した人物で、囲碁の名人にして算術に長(た)け、天文暦を専門としつつ神道にも通ずるという、大変な才人だ。それまで日本で採用されていた「宣明暦」の不正確さを指摘し、その生涯を賭して初の国産暦である「大和暦」(のちの「貞享暦」)を作り上げた。 正確な暦を
2010/02/04 リンク