『白鯨』のおもいで - 空中キャンプ

わたしが、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』という小説をはじめて読んだのは、十九歳のときだった。この小説にでてくるエイハブ船長という登場人物は、『白鯨』を読んだことのない人でも名前を聞いたことがあるくらいに有名であって、それはたとえば、ホールデンとか、トラヴィスとか、そういったたぐいの「架空の有名人」のひとりであった。そして十九歳のわたしは、架空の有名人たちとたくさん知り合いになりたいとおもっていたのだった。 エイハブ船長がどういう人なのか、それを確認したい一心で、わたしは『白鯨』を読み進めた。『白鯨』はまず、古今東西のあらゆる書物から、鯨にかんする記述を徹底的に引用する、文献抄というくだりからはじまる。これが数十頁。「かの海の野獣、神の創造りたまひし、最も魁偉なるもの、大海の潮に遊び」といった引用がつづいていく。あのー、ここ飛ばしていいですか…。今では新訳もあるが、わたしが十九歳のときに入手

[tokyocat]

《いつか呑み屋でエイハブ船長の話題がでたとき》

[anigoka]

切株派の由来がわかった

[sakstyle]

なんでこの小説はこんなにしょっちゅう脇道にそれるのだ/冒険と「鯨ひとくちメモ」が交互に出るらしい。読んでみたくなったような、読みたくないような。

[takanofumio]

ウディ・アレンの｢カメレオンマン｣も、｢白鯨｣を読んでるふりをしてしまったのがきっかけで何かのマネしかできなくなった男の話だった。

[chiqashi]

「鯨ひと口メモ」

[murashit]

こないだユリシーズを読み終わったときに同じようなこと考えた

[rosaline]

こらお前ら！あの冒頭の延々と続く引用はテンション上げるところですよ！ＳＷの「A long time agoin a galaxy far，far away……」と同じ！

[shadow-toon]

白鯨を朗読する→聞き手が寝る、ってお約束だよね。

[welchman]

"スメルズライク焼け野原。"と"また「鯨ひと口メモ」かよ"と"「俺は『白鯨』を読み通すために『白鯨』を読み通したのだ」と、ぐるぐる巡りみたいなことを考えてうれしかった。"のうれしさ。