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bookに関するsakstyleのブックマーク (749)

  • 「新しい支配」への抵抗は可能かーー木澤佐登志『闇の精神史』(ハヤカワ新書)評|海老原豊

    書は、第1章「ロシア宇宙主義」、第2章「アフロフューチャリズム、第3章「サイバースペース」と終章からなる。 3章のサイバースペースの議論は、私が3年前に書いた『ポストヒューマン宣言』(小鳥遊書房)でうだうだと議論した論点を、すっきりスマートに整理されていて、その手際はさすがである。(脱帽している場合でもないか…)。私が「ポストヒューマンのパラドックス」や「ポストヒューマンの人間的葛藤」と呼んだものは、書では〈不気味なもの〉や、単に〈もの〉と表現される。マトリックスより、ギブスンより、さかのぼって(東浩紀の議論を引き継ぎつつ)ディックにメタバース的可能性を読み込んだのは、興味深く読んだ。私も『SFマガジン』にディック論を寄せたことがあるが、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をテクストに、しかし映画版『ブレードランナー』ではオミットされているガジェット=共感ボックスを重要なものとして

    「新しい支配」への抵抗は可能かーー木澤佐登志『闇の精神史』(ハヤカワ新書)評|海老原豊
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    sakstyle 2024/04/30
    「情報産業は、古来から脱身体化の夢を追い求めるが、情報は何らかの物質を必要とする。」
  • 学生のためのお薦め図書リスト | 筑波大学 比較文化学類公式ホームページ

    比較文化学類では、学生のみなさんに、自主学修として広く読んでほしい図書を選定しました。 リストは「まず読みたい図書100」と「次に読みたい図書100」の二つに分かれています。それぞれに、専門の枠にとらわれない「全学生向きの図書」と、「領域・コースの学習に関する図書」が挙げられています。自由に参照して、読みたいを見つけるための一助としてください。 もちろんこのほかに、授業等で紹介される図書を読むことや、自分で読むべきを探すことも重要です。読書は、ある問題についての体系的な知識を獲得したり、複雑な情報を受け止めながら思考を深め、自分の問題意識を磨いていくために、きわめて重要な知的レッスンの場となります。できれば読書記録を作り、感じたことや考えたことをまとめたり、気に入った文章を引用して書き留めたりするとよいでしょう。 みなさんがこのリストを活用して、書物の世界を大いに楽しみ、刺激を得てくれ

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    sakstyle 2024/04/26
    何故こんなに伸びた?(ブクマカはこの手のリスト好きだが)/自分の出身だが、見事に読んでない本ばっかりで笑う。時々選んだ先生の顔が思い浮かぶ本がある。
  • 物理学・生物学的に考えた時、地球外生命体はどのような機能を持っているのか──『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』 - 基本読書

    まじめにエイリアンの姿を想像してみた 作者:アリク カーシェンバウム柏書房Amazonこの『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』は、書名だけみると小学生ぐらいの夏休みの自由研究みたいだが、実際は動物学者の著者が、生物学、物理学など科学の知識を総動員して「地球外生命体の機能や生態はどのようなものでありえるのか? 逆に、どのようなものではありえないのか?」を考えていく一冊になる。 化学のや生物学ので、一章ぐらいこのテーマに割いているは少なくないが、まるまる一冊地球外生命の生態を考察しているは珍しい。そもそも、「地球外生命体って、誰も見たことがないんだから想像しようがなくない? ソラリスの海みたいなやつだっているかもでしょ」と疑問に思うかもしれないが、世界は物理法則に支配されているわけで、この宇宙の生き物である以上、制約から逃れることはできない。 地球には現状、空を飛ぶクジラのような、

    物理学・生物学的に考えた時、地球外生命体はどのような機能を持っているのか──『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』 - 基本読書
  • 1982年生まれの私が読んだ『1973年に生まれて』--速水健朗『1973年に生まれて 団塊ジュニア世代の半世紀』(東京書籍)|海老原豊

    1982年生まれの私が読んだ『1973年に生まれて』--速水健朗『1973年に生まれて 団塊ジュニア世代の半世紀』(東京書籍) 私より約10歳上の人が書いた80年代、90年代、2000年代、2010年代の振り返り。1973年ごろに生まれた有名人の活躍や、時代時代の社会問題・事件テクノロジーの変化を紹介する。私は、さすがに80年代の記憶、とくに「大人のこと」である社会問題等はうすぼんやりとしか覚えていないが、90年代以降は「あるある」ものとして読めた。 筆者は50歳(去年のなので)、私も40代にさしかかり、でてくる有名人(の若いころ)はけっこう年下なので、有名人と比べてもしょうがないと思いつつ、今の40歳(50歳)と昔の40歳(50歳)はまた違うもんだと思うのだった。オウム真理教の教祖・松が逮捕されたのは40歳と書いてあり、そんなに若かったのか。メディアに露出し始めたころは、当然、もっ

    1982年生まれの私が読んだ『1973年に生まれて』--速水健朗『1973年に生まれて 団塊ジュニア世代の半世紀』(東京書籍)|海老原豊
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    sakstyle 2024/03/17
    “オウム真理教の教祖・松本が逮捕されたのは40歳と書いてあり、そんなに若かったのか。”
  • 移民ユートピアを求めて:Aimee Bahng(エイミー・バン)『Migrant Futures(移民的未来)』の紹介 - Lichtung

    概要 金融投機や経済発展の物語に翻弄されるのではなく、そこから解放される道があると、サンフランシスコ州立大学のエイミー・バンは主張している。 バンは、People of colorの作家たちによるスペキュラティブ・フィクションこそが、新しい未来を切り拓く鍵なのだと説く。バンが『Migrant Futures』で分析するのは、1990年代以降に書かれた作品群だ。これらの作品は、SF的な設定を通して、植民地時代の負の遺産や、科学技術が生み出した負の側面を鋭く指摘している。そうすることで、近代の進歩的な神話に異を唱え、西洋中心主義を解体しようとしている。 Duke University Press - Migrant Futures たとえば、カレン・テイ・ヤマシタの『熱帯雨林の彼方へ』は、フォード自動車がブラジルに造ろうとしたゴム農園の失敗を描いている。この作品から、環境破壊や人権侵害に満ちた

    移民ユートピアを求めて:Aimee Bahng(エイミー・バン)『Migrant Futures(移民的未来)』の紹介 - Lichtung
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    sakstyle 2024/03/11
    後で読むかも?
  • 野村真理『ウィーン ユダヤ人が消えた街 オーストリアのホロコースト』 | Living Well Is the Best Revenge

    ウクライナとガザで戦争が続く。とりわけ連日伝えられるガザでの悲惨な状況はTVニュースの画面を見るだけで胸が痛む。子どもたちや赤ん坊が傷つき、殺され、時に瓦礫の中の遺体として写し出される。海外で配信されている映像にさえ残酷な場面が映示される旨の警告が付されるのだ。イスラエル軍の圧倒的な暴力が彼の地を覆っていることに疑いの余地はなく、ガザで進行しているのが住民の絶滅をめざした虐殺であることも明らかである。(酒井啓子は『現代思想』の特集でガザ住民の半数が殺害され、半数がガザを追われると予想している)しかしイスラエルをめぐる暴力の淵源は根深い。そこには20世紀から今世紀までユダヤという民族に繰り返し加えられた差別と迫害、被害と加害の歪んだ連鎖がうかがえる。このブログでは第二次大戦前後に東ヨーロッパを中心に繰り広げられたユダヤ人絶滅政策と関わる研究や小説映画などを繰り返し取り上げてきたが、今回はナ

    野村真理『ウィーン ユダヤ人が消えた街 オーストリアのホロコースト』 | Living Well Is the Best Revenge
  • 【今週はこれを読め! SF編】高度成長期の日本にSNSがあったら~宮内悠介『国歌を作った男』 - 牧眞司|WEB本の雑誌

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    sakstyle 2024/03/06
    「SF、ミステリ、純文学作品とさまざまな傾向の十三篇」
  • 唯物論的宗教の誕生――マーク・オコネル、松浦俊輔訳『トランスヒューマニズム 人間強化の欲望から不死の夢まで』(作品社)書評|海老原豊

    (シミルボン2019年12月29日投稿の再録) トランスヒューマニズムという思想がある。 書は、トランスヒューマニスト(主にアメリカ、主にシリコンバレーや西海岸のITスタートアップがあるところにいる)たちを追跡したルポである。筆者は、最初から最後までトランスヒューマニズムに懐疑的である。が、追跡対象を論難するわけでもなく、いったい彼ら(ほとんどが「彼ら」だ)が何を思っているのかを掘り下げていく。もちろん、所々に鋭いツッコミを入れることも忘れずに。 トランスヒューマニズムとはなにか? 人間の身体を機械を考え、身体的な欠陥を機械を整備するようにテクノロジーによって改善できると考える思想だ。 「トランス」というのは「超える」という意味をもつ接頭辞で、「人間を超えた存在を志向する思想」と考えれば良い。人間を超える思想は何も現代に限ったことではなく、太古の昔からさまざまな思想・哲学・宗教で見ること

    唯物論的宗教の誕生――マーク・オコネル、松浦俊輔訳『トランスヒューマニズム 人間強化の欲望から不死の夢まで』(作品社)書評|海老原豊
  • 『有閑階級の理論』ソースタイン・ヴェブレン (著)村井章子(訳)ポストモダンな消費論の先駆けの本かと思ってまあいいかと読んでいなかったのだが全然違った。デヴィッド・グレーバー的アプローチの100年先駆け|原 正樹

    『有閑階級の理論』[新版] (ちくま学芸文庫 ウ 9-2) 文庫 – 2016/11/9 ソースタイン・ヴェブレン (著), 村井 章子 (翻訳) Amazon内容紹介このちくま学芸文庫版のAmazonページには内容紹介がないので、講談社学術文庫版 長いけれど正確な要約なので。 「社会の格差は人類の歴史上いつも存在しました。近代以前は、武人や聖職者といった上流階級は産業的な職業を持ちませんでした。その免除自体が、彼らの卓越した地位の経済的な表現でした。有閑階級は、社会が原始未開から野蛮状態へ(平和愛好的な生活習慣から好戦的生活習慣へ)と移行するあいだに、発生したものです。そして階級間、階級内での金銭的な闘いは、人間を産業的で節約的にしたのです。有閑階級は略奪文化とともに誕生しますが、金銭的文化段階への移行とともに、その意味はまったく新しくします。 近代産業社会の成立以降、上流の階層が、自ら

    『有閑階級の理論』ソースタイン・ヴェブレン (著)村井章子(訳)ポストモダンな消費論の先駆けの本かと思ってまあいいかと読んでいなかったのだが全然違った。デヴィッド・グレーバー的アプローチの100年先駆け|原 正樹
  • テクノロジーが原因の問題をさらなるテクノロジーで解決できるのかーーエリザベス・コルバート『世界から青空がなくなる日』(白揚社)書評|海老原豊

    怖いものは好きだ。SFパニック映画も、ホラー映画もけっこう見る。でも、怖さにはいつしか耐性つき、たんなる「まんじゅう怖い」的な、怖いと言っておきながら実は怖くもなんともなく、好んでしまう。その程度の「怖さ」かもしれない。当の怖さは、しかし、SFにもホラーにもなくて、現実にある。書のサブタイトルは「自然を操作するテクノロジーと人新世の未来」である。人間の地球上での活動があまりに広範囲・影響大のため、地質学的に新しい区分に入ったのではないかと主張する論者がいて、その新しい名称が人新世である。ここには倒錯がある。人間の活動を支えるのはテクノロジーである。テクノロジーの結果、変化しつつある地球環境を、さらなるテクノロジーで制御しようとする。筆者はこれを「コントロールをめぐる問題の答えがあるとするならば、さらなるコントロール」とし、自然への介入がさらなる介入を必要とする事態を人新世の「再帰性」と

    テクノロジーが原因の問題をさらなるテクノロジーで解決できるのかーーエリザベス・コルバート『世界から青空がなくなる日』(白揚社)書評|海老原豊
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    sakstyle 2024/02/25
    “パオロ・バチガルピの『神の水』や『ねじまき少女』を連想しながら、読んでしまう。こんなに、現実がSFと近接していて良いのか? とさえ思う”
  • ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』第4講:充満の原理と新しい宇宙観 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はいはい、やめようかなと思っていたラヴジョイですが、第2講で舞台設定ができて、第11講でいきなり結論になってしまうのは、ちょっとつまらない。その途中でどんな具合で論が進むかをみるために、多少は土地勘のある (他の部分よりは:スピノザやライプニッツは、そんなに読んでないよー) 宇宙論のところをやってみました……がその前に少しおさらいから。 cruel.hatenablog.com 前置き:「異世界性」と「この世性」のおさらい 第2講では、書で扱う主な観念の源である、「異世界性」と「この世性」というのが示された。これはどっちも、神さまの位置づけの話。 異世界性ってのは、神さまの世界はぼくたちなんかの及びもつかないまったくの別世界だ、という話だった。神さまはスーパーえらいし、人間なんかの想像力なんかとても及ばないパワーもあるし能力もあるし神さまですから、もちろん善の親玉。その世界は隔絶し、完璧

    ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』第4講:充満の原理と新しい宇宙観 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    sakstyle 2024/02/09
    お、続いた! ラブジョイ曰く、地動説が広まったのは(科学的論証ではなく)「この世性」や「充満の原理」によるもので「世界の複数性(地球外生命の存在)」とセット。山形曰くトリビアに過ぎず観念史の限界では
  • 二酸化炭素除去技術から湿地創造プロジェクトまで、自然を操作しようとした試みを描き出す──『世界から青空がなくなる日:自然を操作するテクノロジーと人新世の未来』 - 基本読書

    世界から青空がなくなる日:自然を操作するテクノロジーと人新世の未来 作者:エリザベス・コルバート白揚社Amazon人類は技術が発展するたびにそれを使って自然を操作・征服しようとしてきた。その試みの中には成功したものもあれば(農耕だって自然の操作の一種である)手痛いしっぺがえしをくらったこともあるし、成功したと同時にそれがもたらした悲劇の対応に追われたこともある。書では、特に最後の、「問題を解決しようとして生み出された問題を(主に技術で)解決しようとする」人々の姿を描き出していく一冊だ。 たとえば昨今騒がれている気候変動対策では大気中に粒子を撒いて地上に届く太陽光を減らすことで気温を下げるジオエンジニアリングと呼ばれる種類の技術も大真面目に議論されている。大気中に粒子を撒くのは即効性のある手段で今のところ有望な技術のひとつだが、結局地球温暖化の「原因」を取り除いたわけではないので、風邪でい

    二酸化炭素除去技術から湿地創造プロジェクトまで、自然を操作しようとした試みを描き出す──『世界から青空がなくなる日:自然を操作するテクノロジーと人新世の未来』 - 基本読書
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    sakstyle 2024/02/08
    「「気温を減少させるための作業それ自体が(二酸化炭素を生み出して)気温を上昇させる」、悪循環を生み出す可能性も」
  • SFと植民地 あるいはシンガポールで見る『カジノ・ロワイヤル』(自作宣伝です) - もう本でも読むしかない

    私事で恐縮ですが…… SFのテーマとしての植民地 シンガポールで見る007の衝撃 創作紹介 関連ブックガイド 私事で恐縮ですが…… Winsland House II 今回は私事と雑談なんですが、実は一昨年あたりからブログのほかに趣味SF小説を書いておりまして、WEBメディアのコンテストに応募したりしています。 昨年はバゴプラ/Kaguya Planet主催の「第3回かぐやSFコンテスト(特集・未来のスポーツ)」 にて選外佳作に選んでいただいたりもし、細々と楽しく活動しております。 Kaguya Planetについてはこちらの記事をどうぞ。作品へのリンクもあります。 pikabia.hatenablog.com この1月には同じくKaguya Planetの「気候危機」特集に合わせて行われた公募に向けて短編を書きました。そちらも現在カクヨムで公開しております。 kakuyomu.jp S

    SFと植民地 あるいはシンガポールで見る『カジノ・ロワイヤル』(自作宣伝です) - もう本でも読むしかない
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    sakstyle 2024/02/08
    「この時まざまざと実感されました。/「芸術」や「美」は、帝国の制度であること」こういう形で実感したことはないけど忘れないようにしたい。下のブックリスト、面白そうな本がざくざく
  • 最近読んだ本を紹介しちゃおうかな(人生の意味の哲学、Webプログラミング、AI入門、クイックスケッチ) - 曇りなき眼で見定めブログ

    最近読んだを紹介するぜ! 森岡正博・蔵田伸雄編著『人生の意味の哲学入門』 掌田津耶乃『作りながら学ぶWebプログラミング実践入門』 次田瞬『意味がわかるAI入門』 立中順平『たてなか流クイックスケッチ』 森岡正博・蔵田伸雄編著『人生の意味の哲学入門』 人生の意味の哲学の入門書。 私はデイヴィッド・ベネター先生のファンなので、ベネター先生が登場する3章と6章がおもしろかった。 そもそも人生の意味を(分析)哲学的に論じることなんて可能なのか? と迫るような論考も多かった。それじゃあダメじゃんとも思うが、そうだとしたらそれがわかっただけでも大いなる前進かもしれない。 書を読んでも人生の意味がわかるようになるわけではない、と何度か書かれているのだけど、人生の意味の哲学を研究しても人生の意味がわかるようにはならないのか? というのも人生の意味の哲学的な難問のような気がする。 人生の意味の哲学入門

    最近読んだ本を紹介しちゃおうかな(人生の意味の哲学、Webプログラミング、AI入門、クイックスケッチ) - 曇りなき眼で見定めブログ
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    sakstyle 2024/02/08
    「人生の意味の哲学を研究しても人生の意味がわかるようにはならないのか?」人生の意味を任意のXに変えても成り立ちそうな……。それはそれとして『意味がわかるAI入門』は面白そう
  • 『山県有朋 明治国家と権力』小林道彦著

    【読売新聞】評・井上正也(政治学者・慶応大教授) 時代の変遷によって人の評価が一八〇度逆転することは珍しくない。山県有朋といえば、かつては「日軍国主義」を体現する権威主義的な藩閥政治家というイメージが支配的であった。しかし、近年は

    『山県有朋 明治国家と権力』小林道彦著
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    sakstyle 2024/01/30
    「かつては(...)権威主義的な藩閥政治家というイメージ(...)近年は彼の地方自治論や柔軟な外交政策が着目」「若き日に軍事革命の世界的潮流に敏感に対応した(...)が、(...)総動員体制の時代には適応でき」ず
  • 『励起 仁科芳雄と日本の現代物理学』を読む - HONZ

    みなさんは、仁科芳雄という人物をご存知だろうか? 物理学をある程度学んだ者なら必ず知っているし、物理学でなくても、理系の研究者なら、ほぼ間違いなく知っているだろう。わたしも一応は知っていた。「仁科記念賞」という、原子物理学とその応用に関する栄誉ある賞があるし、教科書には「クライン=仁科の式」というものが載っている。仁科は理研(理化学研究所)の人であることや、サイクロトロンを作ったことや、第二次世界大戦中はいわゆる「ニ号研究」をやっていたこと、そして戦後は学術会議の創設に関わったことなども知っていた。(恥ずかしながら書を読んではじめて知ったのだが、いわゆる原爆研究とされる「ニ号研究」というプロジェクト名は、「2」号研究ではなく、仁科から取ったカタカナの「ニ」号なのだそうだ! わたしはそんなことも知らなかった!) というわけで、わたしとしても仁科のことを多少は知っていた、と言えなくもない。だ

    『励起 仁科芳雄と日本の現代物理学』を読む - HONZ
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    sakstyle 2024/01/23
    青木薫の書評/「仁科個人と、その外部とバッサリと切り分けてしまうことは、かえって実態から乖離する」「本書の読みやすさには、ちょっと不思議な気がするほど」 「「われわれは歴史をどう知るのか」という問題」
  • ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』補論:現代に生きる存在の連鎖 (ちがう) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    昨日、ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』の最終講を見て、その滅多斬りぶりがスゲえという話をした。 cruel.hatenablog.com 一晩寝ると、なおさらすごいな、と思う。ふつう、ここまでやらないと思うのだ。普通はどうするだろうか? なんとかポジティブに終えたいと思ってしまうのが人情だろう。そしてその簡単な手はすぐに思いつく。まず、最終回の題名を変えよう。 「現代に生きる存在の連鎖」 とかいうタイトルにしましょう。そして、全体の話の構成はこんな具合にしよう。 (ヤコービが〜、シェリングが〜、で、全部破綻しましたという話) 確かに、こうした神学や哲学の分野においてはこの観念は破綻し消えた。 しかしそれは偉大な敗北、豊穣で多産な破綻だったんだ。 だって、世界に一貫した合理性があるという確信は現代科学に受けつがれたんだ! さらにベルグソンやホワイトヘッドみたいな現代の人々にも影響は見られる。

    ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』補論:現代に生きる存在の連鎖 (ちがう) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    sakstyle 2024/01/23
    「普通はどうするだろうか?(...)「「存在の連鎖」という観念は、いまなお息づいているんだ!」(...)ぼくがラブジョイなら、絶対そうする」「彼はそういうのを全部つぶす。「破綻し消えたんだぞ、それを忘れるなよ」」
  • はるか未来の人々の生活を向上させるため、いま何をすべきかをあらためて考える──『見えない未来を変える「いま」――〈長期主義〉倫理学のフレームワーク』 - 基本読書

    見えない未来を変える「いま」――〈長期主義〉倫理学のフレームワーク 作者:ウィリアム・マッカスキルみすず書房Amazonこの『見えない未来を変える「いま」』は、現在シリコンバレー界隈などで人気の高い「長期主義(Longtermism)」という思想について書かれた一冊だ。著者はオックスフォード大学哲学准教授にして『〈効果的な利他主義〉宣言!』などで知られるウィリアム・マッカスキルで、主に倫理・道徳哲学の観点から長期主義について、またこの主義に基づくなら、われわれ個人と現代文明は、はるかな未来に向かって何をすべきなのか(あるいは、何をしないべきなのか)を考察していくことになる。 長期主義には現在批判も出ているが、個人的にはおもしろい観点だと思った。長期主義的観点に立つからこそ出てくる問いかけもあり、そこには独創性がある。 長期主義とは何なのか? 長期主義が何なのかといえば、次のような意味になる

    はるか未来の人々の生活を向上させるため、いま何をすべきかをあらためて考える──『見えない未来を変える「いま」――〈長期主義〉倫理学のフレームワーク』 - 基本読書
  • ポストヒューマンを考えるブックリスト⑦久保明教『機械カニバリズム』(講談社メチエ、2018年)|海老原豊

    この記事を書くにあたり書を読み直しましたが、むっちゃ自著の元ネタになってました。もちろん引用もしたし参考文献にもあげているのですが、明示的な引用をしていない箇所でも、このの根底にある〈AIvs人間〉という対立図式ではなく、〈AI+人間〉で考えようとする姿勢は、自著のAI映画論や《ターミネーター》論に援用しています。 書は20世紀の技術論をまず技術決定論と社会的構成論に整理します。技術決定論は技術が社会のありかたを決め、自律的なAIが登場した場合、人間との対立関係も視野に入ります。他方、社会的構成論は、中立的・道具的に技術をとらえ、社会こそが技術のあり方を決定するとします。この2つの20世紀の技術論は正反対のものですが、正反対ということは物事の裏表でもあります。ここから21世紀の技術論としてアクター・ネットワーク論を導入します。 アクター・ネットワーク論とは人間と非人間(機械やAI)が

    ポストヒューマンを考えるブックリスト⑦久保明教『機械カニバリズム』(講談社メチエ、2018年)|海老原豊
  • 地方映画史研究のための方法論(2)ジョナサン・クレーリー『観察者の系譜』|佐々木友輔

    見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト「見る場所を見る——鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」は2021年にスタートした。新聞記事や記録写真、当時を知る人へのインタビュー等をもとにして、鳥取市内にかつてあった映画館およびレンタル店を調査し、Claraさんによるイラストを通じた記憶の復元(イラストレーション・ドキュメンタリー)を試みている。2022年に第1弾の展覧会(鳥取市内編)、翌年に共同企画者の杵島和泉さんが加わって、第2弾の展覧会(米子・境港市内編)を開催した。今のところ三ヵ年計画で、2023年12月開催予定の第3弾展覧会(倉吉・郡部編)で東中西部のリサーチが一段落する予定。鳥取で自主上映活動を行う団体・個人にインタビューしたドキュメンタリー『映画愛の現在』三部作(2020)と併せて、多面的に「鳥取の地方映画史」を浮かび上がらせていけたらと考えている。 調査・研究に協力し

    地方映画史研究のための方法論(2)ジョナサン・クレーリー『観察者の系譜』|佐々木友輔