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タタの「ナノ」:低速走行から抜け出せない
ラタン・タタ氏には、貧しいインド人を家族全員が危なげにしがみついて乗るオートバイから降ろし、1ラッ... ラタン・タタ氏には、貧しいインド人を家族全員が危なげにしがみついて乗るオートバイから降ろし、1ラック(10万ルピー、約2200ドル)で買える新品の自動車に乗せるという夢があった。 タタ・グループの総帥である同氏は、農村部の自動車整備工に箱入りの部品セットを卸し、7億5000万人の貧しいインド人が暮らす中部地域で、各地の整備工がキットを組み立てて完成車にする名起業家になるという構想を描いていた。 製造業の現実はそうした構想を押しつぶし、「ナノ」と呼ばれるようになった世界一安い自動車は現在、グジャラート州サナンドの巨大工場で生産されている。この工場は年間25万台の生産が可能だが、稼働しているのがやっとの状況だ。 危機が絶えないナノ 2009年に鳴り物入りで売り出されて以来、ナノは一難去ってまた一難という状況が続いている。西ベンガル州に工場を建設するというタタの当初計画は激しい抵抗に合い、建設地
2011/09/04 リンク