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『リベラル・ナショナリズムと多文化主義』紹介 - 擬似環境の向こう側
以前、このブログで「リベラル・ナショナリズム」について取り上げたことがある(参照)。矛盾する思想... 以前、このブログで「リベラル・ナショナリズム」について取り上げたことがある(参照)。矛盾する思想と見なされることの多いリベラリズムとナショナリズムとを組み合わせ、それを肯定しようとする立場の議論だ。 このリベラル・ナショナリズムの思想をより深いところまで突き詰めた著作が、安達智史さんの『リベラル・ナショナリズムと多文化主義―イギリスの社会統合とムスリム』(勁草書房、2013年)だ。イギリスの移民政策をケース・スタディとしつつ、リベラル・ナショナリズムと多文化主義について書かれた大作である。 本書はまず、移民の急激な増加によって「超」多様化するイギリス社会を取り巻く現状について概観する。そこでは移民に対する反発が強まる一方で、移民なしではもはや社会が立ち行かなくなっているイギリス社会の実情が明らかにされる。 次に、本書の理論的な背景として、政治哲学の領域に踏み込み、ロールズやサンデルなどによ
2015/01/13 リンク