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量子力学:確率流密度
何に使うのか 今回の話は書くつもりは全くなかったのだが,第 4 部の「相対論的量子力学」を書いている途... 何に使うのか 今回の話は書くつもりは全くなかったのだが,第 4 部の「相対論的量子力学」を書いている途中で予備知識として必要を感じたのでここに入れることにした.多くの教科書でこの話が出てくるが,私はこれまでそれが一体何の役に立つのか理解できず,邪魔な話だなぁ,と読み飛ばしていただけだった. しかし,知っておいて無駄な話ではない.いや,難しい話ではないので,知らなければ当然知っておくべきだ. 存在確率の時間微分 波動関数の絶対値の 2 乗は粒子の存在確率の密度を表していて,それをある範囲で積分することで存在確率が導かれるのだった.積分範囲として,考えられる全空間を設定すると当然その値が 1 にならなければおかしい. 当たり前のことだが,この値は時間とともに変化されると困る.この式の左辺が本当に変化しないのかどうか,あるいはどのような条件で常にこの関係が成り立っているのかを確かめておきたい.時