アニメーション版「この世界の片隅に」を捉え直す（２）「『かく』時間」 | マンバ通信

マンガ「この世界の片隅に」には、「かく」場面が多い。鉛筆で、絵筆で、羽で。すずはかくことが好きだ。婚礼の日ですら、嫁ぎ先の片隅に居場所を見つけ、行李の前に座り込んで兄に絵入りのはがきを書く。祝いの席で出た食べものをひとつひとつ鉛筆で絵に描いてから、「兄上のお膳も据ゑましたよ。せめて目でおあがり下さい。」とことばを添える。しかし翌朝、はがきの表に自分の名前を書き終えたすずの手がふと止まる。すずは新しい家族に尋ねる。「あのお………… ここって呉市…？ の何町…？ の何番ですか？」 「ぼうっとしている」すずは、嫁ぎ先の住所すら把握していなかったというわけなのだが、ここでわたしがなぜ「すずの手がふと止まる」と書けたかといえば、マンガのコマ運びがこうなっているからだ。 （『この世界の片隅に』上巻 80ページ） すずが表書きを書くコマはわずか３つにすぎない。けれど読者はこの３コマから、鉛筆の動きと停滞

[santo]

良い眼をしていらっしゃる。作り手にも受け手にも感服。

[hitac]

神は細部に宿るといい、そこが評価されている作品なら、細部を評論、あるいは解説すべきだ。これは素晴らしい。

[hi_kmd]

物語としてのネタバレは小さいが、表現のネタバレが激しいので、原作・映画を両方見てから読むとよいとおもう。多彩な表現はこの映画のひとつのキモだから。

[cinefuk]

すごい＞「すずが表書きを書くコマはわずか３つにすぎない。けれど読者はこの３コマから、鉛筆の動きと停滞を読み取ることができる。マンガはたった３コマで、鉛筆の運びの変化を表すことができるのだ」

[Mint0A0yama]

"色鮮やかな対空砲火" のシーンは体が震えながら涙を流して観てた。あんな言葉で説明できない感動を呼び起こすような演出にはそうそう出会えないよなー…。

[navix]

「水原のことばの中途で声の遠近を切り替え、そこに動く絵の短いカットを重ね、観客が耽溺するよりも早く消し去る絶妙なタイミングは、絵コンテ集を見るとあらかじめ精密に設計されていたことがわかる」

[colic_ppp]

細馬先生のレビュー見逃してた。

[kowyoshi]

原作も映画も、もう一度見返したくなる良い考察。

[yoshi1207]

すずさんは描いて物語を作ることで自分を守るんですよね。こうのさんは頭の中で息づいているキャラクタを大事にするマンガ家さんだな、と思いました。

[yk183]

漫画とアニメの表現に関する考察

[pikarin1404]

アニメーション版「この世界の片隅に」を捉え直す（２）「『かく』時間」 – マンバ通信

[hotakasugi]

良いレビュー。映像の表現力についてわかりやすい。

[yodaka]

まじかよ。もう1回観てくる

[htnmiki]

すげー

[kori3110]

ディティールで語る映画だよねえ

[Imamu]

「ひらがなの「すず」を書くときのいかにも手慣れた速さに対して、「北條」と書くとき、鉛筆の動きは一画一画」「のんの声は「ほーじょー」とその描線の遅さをたどたどしく声でなぞるのだが、「すず」では無言」

[frinks]

その2

[kohgethu]

原作マンガ版とアニメ映画版の「二つの表現」を繋げる良評論。

[tonda65]

そうそう、あのはがきの名前書くとこの変化に気づいた時は思わず唸ってしまった。（気づいたのは2度目観賞の時）

[akirafukuoka]

『この世界の片隅に』の名前を描くアニメーションについて。私も劇場で唸りながら文字が書かれていく様子を見ていた。絵で説明することが絵の芸術であり、動画の芸術である。

[Cujo]

うわ、持ってない人に原作を買わせる記事だ！（褒

[sho]

ちょっと深読みがすぎるきらいがあるが、すばらしい考察。