アカデミー賞総なめの「エブエブ」こと、 Everything Everywhere All at Once を見てきた。 カンフーやギャグや下ネタはさておき、「ADHDで悩む親子が、お互いの傷つけあいに終止符を打つ」というお話だった。 おれは、ADHDの毒親育ちで自分もADHDで苦しんでいる。そして自分の子どもも、発達障害という毒血筋。遺伝性の障害で、親子間の負の連鎖が続いているので、すごく共感したし、心に刺さった。 増田にいる発達系の障害を抱えたお前ら。お前らには共感するところがあるんじゃないかと思う。 こんな作品がアカデミー賞を取るなんてすごい時代だよ。LGBTの権利を認める動きはあるが、ADHDのことを知ってもらうには、この映画が良い。これを世界中の沢山の人が見てくれた、ADHDってあの映画みたいな感じなんだよ!と表現できる。初めて俺たちの意味不明の妄想拡大を代弁してくれる映像表現が
2月13日に発表された10日~12日 の全国動員集計(興行通信社調べ)によると10位にランクイン。ミニシアター系にもかかわらず多くの人が劇場に足を運び、好調なスタートを切りました。 コラムニストの故・高山真さんの自伝的小説を映画化した本作について、ゲイライターのサムソン高橋さんに綴ってもらいました。(以下、サムソン高橋さんの寄稿です。) 『エゴイスト』の映画評の話をいただいたが、その時期が公開直前だったため、外国特派員協会という特殊な場所での試写となった。 丸の内ど真ん中の立派な会場、ふかふかの絨毯(じゅうたん)、半数を占める外国人記者と残り半数は文化的偏差値の高そうなマスコミ関係者、という普段の自分(赤羽の肉体労働バイトおじさん)からはかけ離れた環境にとまどいながら、それでもコロナの関係か隣人と微妙な距離の客席と遠くで小さく光るスクリーンに、おそらくこの会場にいる他の誰も思い浮かばない連
僕はその日、久しぶりのミスをした。溜まった仕事を片付けるつもりで休日出勤のために訪れたオフィスの前で、カードキーを忘れたことに気づいたのだ。家まで取りに帰っても時間がかかるし、夕方から別の予定もあったので、数時間、ぽっかりと予定が空いてしまうことになった。 仕方がないので、映画でも観て時間をつぶすか、と考えた。上映時間がぴったりだったという理由で選んだのが、今泉力哉監督『窓辺にて』。主演の稲垣吾郎さんの演技はこれまでも評判だと聞いていたし、ミスって軽く落ち込んでいるときに、陽気なエンタメや不穏なサスペンスを観るくらいなら、落ち着いた気持ちで見られそうなものにしよう。そんな軽い気持ちで、予備情報もなく鑑賞したのだった。 結果的に、作品そのものも素晴らしかったし、いろんなことを考えさせられることにもなった。この作品の中に答えがあるわけじゃないけど、いま自分が感じていたことや、来年に向けて考えた
ティム・バートン監督、ディズニーとの決別を宣言 2022年10月27日 11:00 ティム・バートン監督Photo by Daniele Venturelli/Daniele Venturelli/WireImage/Getty Images 奇才ティム・バートン監督がウォルト・ディズニーとの決別を宣言したと、米Deadlineが報じている。 仏リヨンで行われたリュミエール映画祭で、功労賞にあたるリュミエール賞を授与されたバートン監督は会見に登壇。これまでのキャリアについて語ったが、そのなかでディズニーとは2度と仕事をしない意向であることを明らかにした。 バートン監督といえば、ディズニーのアニメーターとしてキャリアをスタートさせ、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」「エド・ウッド」「アリス・イン・ワンダーランド」などのヒット作を生みだしている。だが、2019年公開の実写映画版「ダンボ」で
最初から最後まで面白さが途切れない「ヴィーガンズ・ハム」(C)2021 – Cinéfrance Studios – TF1 Studio – Apollo Films Distribution – TF1 Films Production – Chez Félix Cinéfrance SAS – Cinéfrance Plus – Cinéfrance 1888 皆さんは人肉飯店映画というジャンルをご存じだろうか。名前自体は今私が書きながら勝手に考えたので存在しないが、そういう系統の映画がいくつか存在する。一番有名なのは、香港が誇る超問題作「八仙飯店之人肉饅頭」だろう。 実際にマカオで起きた事件をモチーフにしたこの作品では、人肉を原材料にした饅頭が提供される。他にもイギリスの小説に登場し、2度にわたって映像化もされた「スウィーニー・トッド」では、殺した相手の死体が人肉入りのパイとなり店
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批評家の蓮實重彥さんは、いままでにいくつも偉業を成し遂げてきた。『映画の神話学』(1979)や『監督 小津安二郎』(1983)によって日本の映画批評に革新をもたらし、『夏目漱石論』(1978)や『表層批評宣言』(1979)によって文芸批評界に波瀾を起こし、『「ボヴァリー夫人」論』(2014)というフランス文学研究の記念碑的著作を上梓したかと思いきや小説『伯爵夫人』(2016)の三島由紀夫賞受賞によって時の人となる──そんな蓮實さんが、この7月に新著『ジョン・フォード論』(文藝春秋)を刊行した。西部劇映画の監督として知られるジョン・フォードをとことん論じた同書は、蓮實さんの映画批評の金字塔として発売前から大きな期待を集めてきた。『ジョン・フォード論』に込められた思いについて、蓮實さんに話を聞いた。(入江)
3月8日『新劇場版』(『序』『破』『Q』)シリーズ完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(正式には末尾にリピート記号)が公開、大ヒット中です。 ドイツ人としてテレビコメンテーターも務めるマライ・メントラインさんが「旧TVシリーズ版以来のファン」を表明しながら注目するのは、ヒロインたちの変化。綾波、アスカ、そして新ヒロインの誕生!? 女性たちの『シン・エヴァ』を考察します。(以下、マライ・メントラインさんの寄稿です。個人の考察であり公式のものではありません。) 今般公開の劇場版でめでたく完結したエヴァンゲリオンシリーズは、宗教的なモチーフをちりばめながら展開される壮大な哲学心理ドラマであり、本場キリスト教哲学的国家であるドイツの人から見てあれはどうなんだ? あと文化考証的にアスカの設定とかはアリなのか? としばしば訊かれるけど、はい、アリです。ぜんぜんアリです。 ぶっちゃけ宗教的要素どうのこ
ホーム > 映画ニュース > 2021年2月22日 > 成人女性が未成年の設定でSNS投稿 子どもが直面する危険を映すドキュメンタリー「SNS 少女たちの10日間」予告編 実際の犯罪の証拠として警察を動かした問題作(C)2020 Hypermarket Film, Czech Television, Peter Kerekes, Radio and Television of Slovakia, Helium Film All Rights Reserved. 成人女性が未成年という設定のもとSNSへ登録すると、何が起こるかを検証したチェコのドキュメンタリー「SNS 少女たちの10日間」の日本版予告編が公開された。 巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋に、幼い顔立ちの18歳以上の3人の女優が12歳の女子という設定のもと、SNSで友達募集をする。その結果、彼女たちにコンタクトをしてき
MAD HEIDI @madheidimovie Heidi is just a girl from the Alps in an alternative #Switzerland that has fallen under fascist rule. Little does she know that her yearning for personal freedom will be the spark that ignites a revolution! Check out our #Japenese マッドハイジ teaser 🎬👉 bit.ly/3j3KcbY pic.twitter.com/uXXKkyNsbX 2020-10-15 18:00:35
キャッツの履修レベルによってモヤモヤポイントが異なる映画 映画「キャッツ」(日本語版公式サイト) キャッツ、みなさん観ましたか?日本公開前から酷評すぎて賑わっていたあの映画です。 私も情報が出た頃からめちゃくちゃ楽しみにしながら怖れていました(怖れていた理由はあとで) 先日公開初日に観に行って、「うんなるほど」となりました。 この映画には、観る人のベースの知識レベルに応じていくつか誤解されるポイントがあります。 単純な映画としてのクオリティとは無関係なその誤解によって評価が不当に下がるのはあまり喜ばしいことではありません。 せっかくの機会なので、CATSについて明日すぐに職場でドヤ顔でウンチクたれることが可能な情報をお届けしたいと思います。 この記事が役に立つ対象者のキャッツ履修レベル 前述の対象者向けに記述していきますので、当てはまらない人からの言い回しや用語の正確性などについてのダメ出
フランス人の俳優。『真夜中のパリでヒャッハー!』(2017年)、『世界の果てまでヒャッハー!』(2016年)などで主演・監督・脚本。本作でも冴羽獠を演じつつ、メガホンを取り、脚本(共同脚本)も書く3役を担う。(文中はラショー) 「『シティーハンター』映画化がいつしか夢になっていた」 ――『シティーハンター』を実写化するアイデアというのはどう生まれたのですか? ラショー 僕はフランスのテレビ番組『クラブ・ドロテ』(※)を見て育った世代なんだ。 『シティーハンター』はアクション、刑事モノ、ラブストーリーもあってとにかくおもしろかったよ。冴羽獠は笑えるだけじゃなくて、何をやらせても完璧。探偵だけど、ボディーガードやスイーパーまでやる、いわばコメディー界のジェームズ・ボンドで、いつからか、この子どものころのヒーローを実写映画にするのが僕の夢になっていたんだ。 ――映画化権はすぐに獲得できましたか?
タランティーノの代表作「パルプ・フィクション」の原案者であるロジャー・エイヴァリー(Roger Avary)さんが、「映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説」に最高評価の☆5レビューを投票し海外の映画ファンやアニメサイトが騒然となっています。その評価たるや、「私のこれまでの映画体験中でも最高の1つ。映画はこの作品のために発明されたと言っても過言ではない」とのこと。何かすごいことになっちゃってるよカズマさーん! 「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」キービジュアル (C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会 ロジャーさんのレビュー。確かに☆5(画像はLetterboxdから) 「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」は、暁なつめさんのライトノベル「この素晴らしい世界に祝福を!」(このすば)が原作。2016年に1月にテレビアニメ第1期、2017
すみっコぐらしは「ここがおちつくんです」をキーワードに描かれた、隅っこを好む少しネガティブな性格のキャラクターたち。これまでにグッズや絵本、ゲームなどでメディア展開されてきた。初の劇場アニメでは、飛び出す絵本の中に吸い込まれてしまったすみっコたちが、自分が何者かもわからないひとりぼっちのひよこと一緒に大冒険を繰り広げる。監督は「アイドルマスター シンデレラガールズ劇場」で知られるまんきゅう。11月8日の封切りから3日間で動員11万4280人、興行収入1億3287万円を記録し、全国映画動員ランキングでは3位に初登場した。 この日行われたのは「ぼくらもすみっコ応援団!上映会」と題された男性限定イベント。すみっコぐらしのファン歴5年で、この日登壇した朝日新聞記者の影山遼は、お気に入りのキャラクターである、自分がペンギンであるという自信を持てない“ぺんぎん?”の大きなぬいぐるみを持参。観客もほとん
今月のベネチア映画祭で最新作「真実」がオープニング上映を飾った是枝裕和監督。その完成間際「最も尊敬している」と語る巨匠ケン・ローチ監督を訪ねた。貧困にさらされる家族など、社会の見えざる一面を描いてきた2人の初めての対談。是枝映画の秘密とは。不寛容さを増す社会のなか、映画は何ができるのか。最新作の未公開映像を交え、今を生きるヒントを探る。 武田 「今日はお忙しい中、ありがとうございます。」 まずは最新作への思いについて是枝監督に聞きました。 武田 「(新作は)初めて海外で、しかも海外の俳優陣を使ってお撮りになった。ここで描きたかったテーマは?」 是枝監督 「家族の中で、今回は、本当に一つ、家の中で起きている母と娘の、いろんな過去と現在と未来に渡って起きていること、起きるであろうことを、ちゃんと捉えてみようかなと思った。」 来月公開の「真実」。主人公は、カトリーヌ・ドヌーブ自身のような大女優。
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