母を亡くした時、僕は布団を丸洗いしにコインランドリーに行った｜Pato

24歳の時に母を亡くした。もうずいぶんと前の話だ。 当時、僕は大学院生だった。下宿していた家賃3万円のアパートでその報せを聞いたはずだった。たしか電話がかかってきたんだと思う。あやふやな表現をしているのは、正直に言うとあまり記憶がないからだ。いまだに何をどうやったのかその行程がまったく記憶にない。ただカーラジオからaikoがかかっていたことだけは薄っすらと覚えているので、たぶん車を運転して実家へと帰ったんだと思う。そして母の遺体と対面した。 少しだけその時のことを思い出していた。 クルクルと洗濯物が回る光景をコインランドリーで眺める。そこには言葉のない世界があった。静寂の中でもう遠い昔となったその時のことに思いを巡らせる。いつもここにくると思い出す。それには少しだけ理由があった。 また乾燥機が回っていた。 コインランドリーの乾燥機はなかなかにパワフルなので、おもいっきり乾燥したい時や、急い

[JTS-Dars]

実は冒頭でちょっとだけ時と場所の感覚が狂ったのだが、それを差し引いてもいい文章

[kash06]

この方の文章は、これだけの長さの中に無駄を感じさせない魔力か実力か、そんなものが生きている。その言葉の中には母の死がなかったとは、すごい気づきだと思う。そして思わぬ救いだなぁ…。

[toomuchpopcorn]

よかった。｜ところで、このDybeというサイトは何なのだろう？

[yamaidare]

優しく、救われる出会い。

[hit-the-light1326]

普段テキスト量が尋常じゃない著者が語る「言わない言葉」の重さ/コインランドリー、最近は投資目的で騙されてる人が多いのか、近所に新店がポコポコ出来てるので恩恵受けてる

[feellucky]

救われる。20.01.06

[njamota]

共同体による情動の共有は、同時に個人に情動のありようを強要する。それが救いになる場合もあるが、そうでない場合は、それに従わないのもありだという規範を持っていないと苦痛でしかない。そういう規範を持つ強さ

[karelu]

名文だな

[kissenger8]

文章について言うべきことは何もないので写真クレジットが無いのがちょっと落ち着かない。とか言ってみる(素材サイトでカネ払って撮影者表記不要って契約形態があるので、そこじゃないだろ系コメントな自覚はある)

[mjq]

小説みたいに構成が完璧だ。泣いちゃう

[heniha]

コインランドリーに入ったことがないのだけど、ヒモは常備されているものなんだろうか

[hiddy216]

泣かせる

[ymmtdisk]

いい文章だった

[gojopost]

名文

[tsubasanano]

“「布団を洗うならヒモで縛ったほうがいいですよ、大変なことになります」 笑顔でそう伝える。おっさんは目を赤くしていたが、笑っていた。 その後、おっさんと一緒に布団を縛った。”

[halca-kaukana]

形式的な言葉が必要な場面で何を言えばいいのかわからない。形式的な言葉に守られる所もあるけど、それは思考停止かもしれない。いい文章を読んだ。

[positive5]

そこに気づき言葉にすることの素晴らしさよ / “あの時はわからなかったが、今になって理解できる。 「ヒモで縛らなきゃ」 おっさんのその言葉、そこには母の死がなかった。それが唯一の救いだったのだ。”

[tohu-soy]

めっちゃ感動しちゃった

[bell_chime_ring238]

“言葉のやり取りの進化は、溢れすぎるであろう「言うべき言葉」より「言わない言葉」が大切となる時代がくるのかもしれない。いずれ言葉たちは臨界を迎えるのかもしれないのだ。”

[hato-o]

とても、とても良いものを読ませていただいた。

[yokosuque]

自分のことのように身に沁みる文章だった。

[tohokuaiki]

あなたの文章が一番言葉が多いんですが、それは。“僕らが住むこの世界は、あまりに言葉が多くなりすぎたのかもしれない。 ”

[retoriba]

よいぶんしょを読んだ。

[tenjinjin]

薄っぺらい同情、感嘆の言葉に腹が立つことが、人の死以外の場面でも多々ある。でもこれが世の中のあるべき共感力というものであるなら、甘んじて受け入れないといけないのかな。