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芸妓という労働の再定位──労働者の権利を守る諸法をめぐって – 立命館大学生存学研究所
松田 有紀子 (立命館大学先端総合学術研究科博士課程・日本学術振興会特別研究員) はじめに 芸妓(1)... 松田 有紀子 (立命館大学先端総合学術研究科博士課程・日本学術振興会特別研究員) はじめに 芸妓(1)は、宴席に侍り芸能によって客をもてなす、女性の専門職である。京都市では、芸妓の派遣先であるお茶屋や料理屋、そして後述する置屋が集中する地域を花街(かがい)と呼ぶ。京都市内に位置する5つの花街(祇園甲部、祇園東、上七軒、先斗町、宮川町)にやってきた少女たちは、芸妓としてデビューするまでの修業期間を舞妓として過ごす。このような特殊な労働の形態を年季奉公と呼ぶ。舞妓が所属し住み込みで訓練を受ける家を置屋(屋形、小方屋とも)いう。京都市の場合、舞妓が育成にかかった諸経費を置屋に精算し、「年季」が明けるまでにかかる期間は、中学卒業後の15歳ごろから20歳までの5・6年が平均的である。置屋と舞妓の関係性は、舞妓が芸妓として独立して居を構え、「自前」になるまで続く。現在では、年季奉公の制度の維持によって
2022/06/27 リンク