2012年9月14日。とある建設会社の会議室の席上、東愛知(ひがしあいち)生コンクリート協同組合の登録販売店同士が語った、こんな会話が録音されていた。 「直接、登録販売店との取引を望んだけど、価格維持のため中部シー・アイ・アイから仕入れてくれとなった」「実際問題、ある程度“談合”みたいなものですよ」。 談合──。聞き捨てならない単語である。が、この話は、ここでとどまらない。岐阜県の飛騨、郡上にある、生コンクリート協同組合(以下、生コン組合)の1社独占販売の問題につながるからだ。 確かに、山間部の飛騨、郡上エリア(東海北陸自動車道)では、平地価格(東海環状自動車道の中濃エリアなど)に比較して「倍近い」という、異常な生コン価格高騰が起こっていた。 カルテル自体は適法だが そもそも生コンとは、製造プラント(工場)から、ビルなどの工事現場へミキサー車で運ぶのだが、その時間は約1時間が限度。生コンが