024 |現代文芸論研究室論集 2009 — 論文 — 自作翻訳とはなにか ウラジーミル・ナボコフを中心に 秋草 俊一郎 1、はじめに 現在、翻訳論 “translation studies” は、欧米を中心にかなりの隆盛を誇ってお り、毎年渉猟しきれないほどの研究書や関連文献が出版されている。しかし、作 者が自分で自分の作品を翻訳する自己翻訳、あるいは自作翻訳 “self-translation” について論じたものは驚くほど少ない 1 。たとえば、ジョージ・スタイナーの浩瀚 な翻訳論『バベルの後で:言語と翻訳の諸相』After Babel: Aspects of Language and Translation においても、わずかに「その解釈学的なモデルは、本質的には無 償の献身的な行為であるが、ナルシシズムに溢れた試みか、作者自身による認証 でもある “The hermene
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