京都地裁で11日、強姦(ごうかん)致傷事件の裁判員裁判の判決があり、判決後の記者会見で女性裁判員が、量刑判断の参考として評議で示された同種事件の一覧について「過去の案件も大切だが、自分の意見を言えなくなる。これでは参加の意味がない」と批判した。裁判員が評議へのあからさまな不満を表明するのは異例とみられる。 判決によると、横浜市青葉区の無職、寺館剛被告(62)は09年11月、京都府内のスナックで経営者の女性を殴り、性的暴行を加えた。懲役7年の求刑に対し、量刑は懲役6年だった。 女性裁判員は検察の求刑を「たった7年かと思った」と吐露。同種事件の一覧は評議の早い段階で提示されたといい、「被害者のことを考えると譲れない量刑があった。しかし裁判官から被告の更生について説明され、過去(の事件)の量刑を示されると貫けなかった。後悔している」と残念そうに話した。 この裁判は、裁判官が男2人、女1人で、裁判