トルコの少数民族クルド人を巡り、欧米への密航を高額な手数料で手引きする違法なネットワークが現地で確立され、渡航費用が安い日本がクルド人の流入先になっていることなどが、日本の専門家による現地調査で明らかになった。調査では、トルコで過去に激しい迫害を受けていたクルド人の立場が、今世紀に入り激変していたことも判明した。 「クルド人への差別はあるが、ルールに従えば命の危険までは感じない」。トルコ国内の建設業の30代男性はいう。 トルコでは長らく、クルド人が迫害を受け、人権団体がたびたび警告を発してきた。男性の父親もクルド人というだけで軍の警察に逮捕され、親族は過去に殺害された。 だが、2003年に首相として政権を掌握したエルドアン現大統領はクルド人との融和政策を推進。その後、副大統領にもクルド系を据えた。 例外が、トルコからの分離独立を求める非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」だ。トルコはP