筆者らは2005年ごろよりアートパフォーマンス作品の制作に携わるようになり,2010年ごろからはエンタテインメントの領域でも活動を続けている.主にテクノロジーを用いた舞台・ステージ表現を開発,実践してきたが,それらは映像表現だけによらず,物理的なオブジェクトや装置を伴うところが大きな特徴の1つである.本稿では,過去に筆者らが実践した具体的な事例を,作品に用いた物理的なオブジェクト・装置に着目して「空中移動体」「飛翔体」「地上移動体」「発光体」という4つのカテゴリで総括し,その表現の狙いや,実装手法・制作手法とその工夫点などについて述べる.これらは技術を見せるためのものではなく,新しい演出や表現を支えるものである.そのためには高い安定性・確実性が必要であり,開発したハードウェアの検証,ソフトウェア・シミュレータの機能の充実,人と物・技術の融合した演出の制作環境の整備も積み重ねてきた. 1.は
インタビュー Rhizomatiks Research 真鍋大度氏,石橋 素氏 インタビュー パフォーマンス作品における技術と演出,その先に 今回の特集号において招待論文「Things on Stage ─パフォーマンス作品における開発と実践─」を執筆いただいたRhizomatiks Research(ライゾマティクスリサーチ)の真鍋大度氏と石橋素氏に,特集号ゲストエディタの細谷と担当編集委員の福島がインタビューした.論文では,ダンスパフォーマンス作品に対する取り組みについて,ICTを活用した新しい「オブジェクト」という切り口で整理されたが,インタビューでは,両氏がどんな思いで何を追求してきたか,Rhizomatiks(ライゾマティクス)の強みは何か,その中で技術や論文というものがどのような意味を持ってくるのか等について話をうかがうことができた. 真鍋大度氏 2006年Rhizomatik
プレスリリース アクセスランキング 1 02/16 15:05 2年ぶりの世界一を目指す! 世界ジュニアカー…
Photo by Suguru Saito https://rhizomatiks.com/s/event/dance-installation-at-gallery-aamo/ クレジット CAST:ELEVENPLAY NON/KOHMEN/SAYA SHINOHARA/EMI TAMURA/YU TOKUTAKE/MINAKO MARUYAMA/KAORI YASUKAWA/ERISA WAKISAKA 演出・振付:MIKIKO ビジュアルディレクション・テクニカルディレクション:真鍋 大度(Rhizomatiks Research) テクニカルディレクション・ハードウェアエンジニアリング:石橋 素(Rhizomatiks Research) 照明:藤本 隆行(Kinsei R&D) ビジュアルプログラミング:堀井 哲史(Rhizomatiks Research) プロジェクションシ
Rhizomatiks Research 技術と表現の新しい可能性を探求するライゾマティクスの一部門。メディアアート、 データアートといった研究開発要素の強いプロジェクトを中心に扱い、まだ見たことのない モノ・コトを世の中に発表していく。ハード・ソフトの開発からオペレーションまでプロジェクトにおける全ての工程に責任を持つ。また、人とテクノロジーの関係について研究し様々なクリエイターとのコラボレーションワークを実践していく。 ELEVENPLAY MIKIKO 率いるダンスカンパニー。女性ダンサーのみで編成されており、舞台、映像、スチールなど、表現の場を様々に持つ。Rhizomatiks Researchとのコラボレーションを多く行っており、"Sónar Festival", "Festival Internacional Cervantino", "MUTEK MEXICO"に招聘されるな
デザイン誌「AXIS」は1981年デザイン発信拠点「AXIS」とともに創刊。独自の特集企画やバイリンガル編集、クオリティの高いレイアウトで一般誌とは異なる誌面を展開 してきました。 創刊以来培ってきた信頼、ネットワーク、企画編集力は、サービスやプロダクトの開発に関わるデザイナーを中心としたクリエイティブ層、社会に影響力を持つオピニオンリーダーなどから高い支持を得ています。
ロンドンを拠点に世界各国で活躍するダンスアーティスト南村千里と、『リオ五輪』フラッグハンドオーバーセレモニーのテクニカルパートを担当したライゾマティクスリサーチによるダンスパフォーマンス『ノイズの海』が上演される。聴覚に障がいを持つ、ろう者でもある南村が感じる音楽と、聞こえる人が感じる音楽は、どこが同じでどこが違うのか。「聞こえない」という視点からの「音 / 音楽」を、ライゾマティクスリサーチが開発したテクノロジーを使った表現で拡張していく本公演は、「音楽とは何か?」に迫る画期的な内容となりそうだ。 今回の鼎談では南村千里と、ライゾマティクスリサーチの石橋素、原田克彦に、聞こえる人と聞こえない人が一緒に作品を作っていく中で、気付いたことを語ってもらった。聞こえる / 聞こえないの違いがあると、意識してコミュニケーションをとるようになる。しかし、聞こえるもの同士であっても「阿吽の呼吸」に頼っ
8月21日(日本時間22日)、リオデジャネイロ市のマラカナンスタジアムでリオデジャネイロオリンピック閉会式が行われた。 2020年東京オリンピックに向けて、IOCのトーマス・バッハ会長から小池百合子都知事にフラッグが手渡された後、次期開催国である東京のパフォーマンスが披露された。 「君が代」の斉唱に続き、フィールドには大きな日の丸が登場。その後、東京都、岩手県、宮城県、福島県の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の27校、1万人以上の児童・生徒によってつくられた日本語、英語、フランス語、ポルトガル語の「ありがとう」の人文字がフィールドいっぱいに広がった。 その後に流れた東京を紹介する映像には、日本を代表するアスリート、そしてドラえもんやキャプテン翼、ハローキティ、マリオなど人気キャラクターが登場。東京からリオに向けてドラえもんのドリルが地球を掘り進むと、スタジアムの真ん中には「スーパーマ
株式会社ライゾマティクスが創立10周年。新部門「Research」、「Architecture」、「Design」を新設。専門性を高めながら領域横断的に新しいクリエイティションを展開する基盤を強化。 株式会社ライゾマティクス(Rhizomatiks)は、2016年7月25日、創立10周年を迎えました。 2002年の誕生後、 到来するインタラクティブの時代を見越し、 2006年7月25日に創立された株式会社ライゾマティクス。 その歴史においては、 メディアアートで培った知見と高い技術力、 企画力をエンターテインメントや広告といった多分野において展開し、 常にあたらしい表現を切り拓いてきました。 ライゾマティクスでは、 進化し続けるテクノロジーとともに迎える次なる時代に向け、 複雑で高度化する課題に対応する3つの新部門を設立します。 技術と表現の新しい可能性を探求するR&D・メディアアート部門
真鍋大度[アーティスト、プログラマー(サウンドデザイン、インタラクションデザイン)] 石橋素(エンジニア、アーティスト) 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)パリ日本文化会館は、現代を生きる人々の感性に照応する新しいクリエイティビティーを国際的な視点をもって紹介する試みとして、現代アーティスト、建築家、デザイナーなど、その類いまれな創意やジャンルを超えた表現で国内外にて活躍するアーティストやクリエーターを紹介する展覧会シリーズ「トランスフィア(超域)」を、同館展示部門のアーティスティック・ディレクターである岡部あおみ氏監修のもと開始しました。初年度となる本年のシリーズ第1弾として、最先端の技術に精通するメディアアーティスト真鍋大度氏と石橋素氏を迎え、2016年3月16日から5月7日の会期でトランスフィア#1「創意のランドスケープ」を開催しました。 本展の図録に掲載された真鍋氏と石橋氏
谷中"SCAI THE BATH HOUSE"で行われた映像作家アピチャッポン・ウィーラセタクン「Replicas」におけるマルチチャンネルサウンドシステムの構築 鑑賞者には、まず赤外線LEDのついたヘッドホンを装着して鑑賞してもらう。そして中に入ると、天井に取り付けられたカメラによって、ヘッドホンの赤外線LEDから位置を割り出し、立っている位置に応じてDVD映像のサウンドトラックのミックスバランスが変化する。時分割して赤外線LEDの位置を検出、解析しているため、4人まで同時に鑑賞する事が出来る。 Venue: SCAI THE BATHHOUSE Yanaka TOKYO Date: January,2008 Staff: System Design : Motoi Ishibashi,Daito Manabe Device : Motoi Ishibashi programming :
magicLab “24 Drone Flight” magicLab × Rhizomatiks Research 2016年2月 Video NYを拠点に活動するアーティストのマルコ・テンペストとライゾマティクスリサーチによる、24台のドローンを使ったコラボレーション映像を制作。マルコ・テンペストはテクノロジーとマジックを掛けあわせたパフォーマンスで高名なアーティスト。本プロジェクトのために来日し、以前から親交のある石橋素、真鍋大度らとともに、世界的にも例がないような、優雅で安全なドローンとのパフォーマンス映像を作り上げた。最先端のテクノロジーにより統制されたドローンは、まるでよく訓練された鳥の群れのようである。 – Drone Magic with Rhizomatiks Research https://www.magiclab.nyc/research/drone_magic/
Posted on May 3, 2011(Tue) in: Feature| Posted by: Saito Akiko 山口県山口市のYCAMにて、真鍋大度+石橋素の新作インスタレーション展 「particles(パーティクルズ)」が開催中。これまで先鋭的な作品を発表し、メディアアートだけにとどまらない幅広いフィールドで評価されてきた彼らだが、実は本展が初の本格的な個展となる。写真や映像だけでは伝わらない、圧倒されるスケール感を感じてもらうため、是非現地で体験してほしい作品だ。今回は真鍋氏、石橋氏のほか、作品制作に協力したエンジニアにも話を伺い、構想から実現まで二年を要したパーティクルズの全貌に迫った。 横幅8メートル、高さ8メートルというスケールのパーティクルズ。彼らが手がけた作品の中でも、もっとも大規模なものだ。照明が落とされた薄暗いホールに、8の字型の螺旋構造を持つレールが構築
Test version 多人数のコンビネーションで大規模なパフォーマンスを作る「マスゲーム」。スタジアムショーなどの演出で用いられることも多いが、これまでにテクノロジーを用いた演出がされることは少なかった。 これは2015年7月19日、北海道・セキスイスタジアムで行われた「真駒内花火大会」のために作り上げた、テクノロジーを演出に取り入れたマスゲームのパフォーマンスである。本イベントは毎年趣向を凝らした豪華な演出が行われており、今年は真鍋大度がオープニング花火の演出に招聘された。演出・振り付けのMIKIKO、ハードウェア担当の石橋素とともに、無線制御可能なフルカラーLEDのライトスティックと花火、ダンサーのコラボレーションするパフォーマンスを実現した。ステージでは、ダンサー64人が無線制御のLEDデバイスを両手に持ち、パフォーマンスを繰り広げる。後半では、手筒花火もダンスに取り入れられた。
3回にわたって掲載しているライゾマティクス真鍋大度氏、石橋素氏のインタビューの最終回をお届けします(第1回・第2回)。 ──『モザイク』は昨年の時点で非常に斬新な演出だったと思うのですが、今年もう一度やるというときに、どんなプロセスを経て新しいアイディアに辿り着いたんでしょうか。 真鍋 ドローンにスポットライトを付けること自体は、レーザーを付けるのと同じように、割とみんな考えつくと思うんですね。実際、YouTubeを見てもレーザーを付けている人はたくさんいます。それを実際に表現として見せるときに何をやるか、というのは結構難しいところだと思いますね。 デモだったらすぐにできるんです。歩いている人の動きに合わせてスポットライトを載せたドローンがついていく、みたいなことは結構すぐにできるし、ドローンと一緒に踊るといったこともそう難しくないんですけど、作品に昇華するとなると話は別ですね。音楽に合わ
昨日に引き続いて、ライゾマティクス真鍋大度氏、石橋素氏のインタビューの続きをお届けします。 ──これまで2年ほどドローンを使った演出に取り組んできて、最も大きく変化したのはどんな点ですか。 真鍋 ドローンの表現に関してはハード面とソフト面の役割分担があって、僕はソフト側なんですが、最初はドローンの動きってCGソフトで線を描いているような幾何学っぽい動きだったんですね。だからダンサーと組み合わせるのが難しかった。 それで、ダンサーがドローンを持って動いてみて、その動きをトレースするようにドローンが飛ぶというプログラムを作ったんです。4月末に公演したELEVENPLAYの『モザイク』での表現がまさにそうなんですけど、あのドローンの動きは僕が作ったものではなくて、ダンサーが作ったものなんです。そういった、ダンサーや振付家がドローンの動きを作れるようになったというのはソフト面では大きな変化ですね。
舞台芸術の世界にドローンを持ち込み、観る者に驚きを与え続けているライゾマティクス。新しい表現を模索してきた彼らは今、ドローンの可能性をどう考えているのか──真鍋大度氏と石橋素氏に話を聞いた(全3回)。 ──まず、ドローンを舞台芸術に使おうと思ったきっかけを教えてください。 石橋 僕たちがドローンを使い始めたのは2013年の秋ぐらいで、ちょうどその頃、レクサスのCMでドローンが使われたりして、メディアアートの世界では話題になっていました。それで、とりあえず手を出してみよう、くらいの感覚で始めたんです。 真鍋 ドローンは、カメラを付ければ撮影の機材になるし、最近はライトを付けてスポット照明のような機材として扱っていますが、いろんな役割を与えられるんです。当初はドローンを演者に見立てて、ダンサーと一緒に組み合わせて使ったら新しいダンスが生まれそうだなというイメージを持っていました。それはまだ他の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く