文芸評論家の加藤典洋が5月20日に亡くなった。71歳。死因は肺炎。日本人の死因の4番目である。一昨年くらいは3位に上がっていたが、社会的な啓蒙のせいだろうか、3位から落ちた。老人になると肺炎を起こしやすい。多くは誤嚥による誤嚥性肺炎だ。口腔内の細菌が気管から肺へと吸引されることが多い。その面では、感染症なので、ワクチン対応ができ、60歳から対応になる。つまり、61歳の私は考慮したほうがいい。で、その先のワクチンについては、ちょっとめんどくさい話があるが、一般的にはあまり知られていない。 加藤が誤嚥性肺炎だったかはわからないが、自分ももうあと9年も生きて、肺炎で死ぬことはあるだろうなとは思ったのだった。竹田青嗣を含め、ポスト吉本隆明ともいうべきか、彼らの世代を、自分も老い、そのことで身近に感じられるようになってしまった。 加藤典洋の死は、そうした親しい感覚とともに、ある種の脱力感も伴った。彼