ライトノベルのルールと文法――“萌え系”小説の「お約束」とは? ライトノベル(=ラノベ)という書籍ジャンルは、ファンタジーやSF、あるいは若者向け小説から始まり、独特の世界を形成し、若者に今も絶大な支持を得ています。そんなラノベには、実は他ジャンルと違った、ラノベならではの約束事や、言葉の使い方があります。今回は、具体的な例をあげながらラノベのルールと文法をご紹介し、ラノベとは何かを考えてみたいと思います。 2019/03/29 序論 ラノベの源流をたどると、筒井康隆作『時をかける少女』(1967年)、笹本祐一作『妖精作戦』(1984年)といった作品に行き着きます。さらに昔にさかのぼれば、ジュール・ヴェルヌ作『海底二万里』(1870年 ※1956―1957に翻訳)、C・S・ルイス作『ナルニア国物語』(1950年~1956年 ※1966年に翻訳) などの作品も、ラノベの誕生に大きな影響を与え