人生100年時代、老後に必要なお金をどう備えるか。金融庁の報告書で、年金をもらっても老後の生活に約2千万円足りない、との試算が示された。中小企業の多い宮城県内では、「年金が少なく、もっと足りない人もいる」とみる専門家もいる。 3日に金融庁が公表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」によると、夫65歳以上で妻60歳以上の平均的な無職夫妻の場合、収入が年金を中心に月20万9千円なのに対し、食費や医療費、娯楽費などの支出は26万3千円。毎月5万円強の赤字は「自身が保有する金融資産より補塡(ほてん)することとなる」としている。 この赤字が20年続くと約1300万円(夫が85歳以上)、30年で約2千万円(同95歳以上)となる計算だ。老人ホーム入居費や住宅リフォームなどの特別な支出は含んでいないことにも注意が必要とする。少子高齢化を踏まえて公的年金の水準は今後調整されていくことが見込まれるといい