「8050問題」はそのまま「9060問題」へ 今回、逮捕された容疑者は66歳の無職男性であり、「母親の通院に同伴した診察の待合で『うちの母親を(先に待つ他の患者より)先に診ろ』などと求め、職員が断ると大声で怒鳴り散らす」「『うちの母親に失礼をしたら絶対許さない』とよく言っていた」などのモンスターぶりが報道されている。 事件前夜の1月26日に容疑者の母親が死亡し、翌27日に医師が病院スタッフを同伴して訪問した際、母親の遺体が安置されている部屋で銃撃された。死亡医師と同時に40代男性理学療法士と30代男性介護士が被害に遭っている。 近年の訪問診療では、注意を要するケースの場合、訪問時に防刃チョッキや防刃カバンを使用して自衛する診療所も存在するが、散弾銃をスタンバイさせていたとは想定外だったのだろう。今後、医師の護身のための対策が論議されることになるだろう。 社会に横たわる「暗部」を照らした 2